CM字幕講演のコメント


先日秋葉原で開催された『情報アクセシビリティ・フォーラム 2015』では
「CMにも字幕を!」というテーマで、
20分間で当事者としてどう関わってきたかを話しました。


わざわざ宮城教育大学の松崎丈先生がお越しになり
コメントを寄せてくださりました。
これがとても整理されているので紹介します。


松崎先生は、聴覚障害学者のみならず重複障害者への教育、
情報支援やコミュニケーション支援を専門にされています。
相手の話しを聞き出すのがとても上手な先生です。
こちらがもやもやとしたものを抱えているときに
「あなたの言いたいことはこういうことですね」と
それを的確に表現する言葉を惜しみなく出してくださる方です。
そうすることで、より客観的に自分自身を見ることができてきます。


以下一部抜粋。

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1、社会を変革することの「時間」がよくわかるプレゼンでした。
18年間という数値だけでなく、
誰が何をどのように動いてきたか
例:活動・調査から始まり、
企業がトライアル、継続トライアル、通常運用に至っていく過程。


生態学的に見ると、
個人→団体→企業→自治体・政府へとアクションを起こして変革していってるんですよね。
エンパワメントも最初は個人レベルから始まり、
組織レベル、政府レベルへと変革水準が拡がっていく過程を述べているんですが、
まさに聴覚障害当事者によるCM字幕バリアに対するエンパワメント実践!
というべきものでした
その過程が丁寧に語られていたことで、
聴講する当事者も
どのように考えて変革していくのかというプロセスを
自分にあてはめて考えることができるんじゃないかと思いました。


2、CMに字幕がついたことによる当事者のコメントが4点ありました。
1、疎外感の解消
2、情報が分かるって嬉しい
3、買い物の仕方が変わった
4、企業に対する評価と価値向上


前者の2点は情報弱者的な視点で考えれば予想でき、共感もできる回答です。
後者の2点はそうではなく
一消費者としての視点で、買い物の仕方が変わったとか
企業への評価ができるようになったとか
情報弱者の立場から解放され(つまりゼロになり)、
消費者として成長できる(つまりプラスになる)ということは
すごく重要な指摘だと思いました。
すごく響くものでした。本当に。

コーディネーターの佐川さんが最後に話されていた
「買う力」「購買力」を高めることも重なりますし、
それを当事者である松森さんから発せられることに
大きな意味を感じましたね。

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そうかー。
特に二番目のコメント、
情報弱者から一消費者へ」というのは納得。
まさにそういうことなんですよね。
字幕がつくことで、私たちも成長でき、
かつそれが完全なる社会参加のひとつでもあるということ。
「CM字幕」地味なテーマではありますが追いかけます。
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