「字幕がつかないことが放送事故」大阪字幕付きCMセミナー



大阪での「字幕付きCMセミナー」は
定員120名を超える170名で埋め尽くされました。
机のある席は埋まり、壁際に急遽椅子をならべた熱気に圧倒。
情報保障は手話通訳と、UDトークによる音声認識での文字情報提供。


講演「パナソニックの取り組みについて」では、日本で初めてCMに字幕を付けたことから
現在までの字幕CMは136本となり、制作ノウハウと制約、
字幕をつけるきっかけとなった私のエピソードも紹介してくれました。


続いて積水ハウスさんの取組紹介と
総務省地上放送課からは、石原課長補佐が
「字幕付きCMに対する評価、効果等に関する調査」のデータを紹介。
難聴を自覚する人の9割が、字幕付きCMのことを知らないという数字に会場も驚いていました。


後半はパネルディスカッション。
わたしから10分の講演。
CMにも字幕が必要な理由として
情報を共有し、対等でありたいことや、長年の活動の紹介。
CMに字幕が付くことで「安い物よりほしいものを買う」ようになり
消費者としての成長や購買力につながること。
4月からの障害者差別解消法では、あらゆる差別を禁止し、
合理的配慮をしないことも差別となることを企業として考えてほしいこと
最後に、放送事故を恐れてできないという理由も聞きますが
「字幕がないことが放送事故」だと思いませんか?と締め括りました。


追手門大学の福島先生からは、字幕付きCMの
「眼球運動から見た評価実験」の結果と分析について
アイトラッキングといって視線の動きを調査するシステムを使いました。
テロップを上手に活かした字幕が読みやすいという結果です。
海外と日本の比較についても興味深く、
その後のディスカッションにもつながりました。


電通総研、ダイバーシティラボの佐多直厚さんの進行はさすがで
途中PCトラブルがあっても、ニコニコしながら臨機応変
おかげさまで楽しく、充実感満載で終えることができました。


これを機に、停滞気味の字幕付きCMが増えるよう、改めてはたらきかけていきます。
セミナー終了後は関西テレビに移動し、字幕制作に携わる方々との意見交換会
緊迫感満載の生字幕入力現場にも立ち会い、懇親会へ。
終了後、青木さんとともに移動し、共通の友人に会いに。(まだいくか!)
出会いとご縁の濃い一日、右も左も分からない大阪で
方向音痴の私が使いこなせるのはタクシーだけでした。