『ゴースト・イン・ザ・シェル』ビートたけしの字幕欠落!

映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』でまさかのビートたけしの字幕欠落。


この映画は25年前の原作をもとに、ハリウッドで実写映画化されたSF作品。
脳以外の全てを義体化した主人公(スカーレット・ヨハンソン)が、
自らのアイデンティティを模索していくというのがテーマの一つ。
ここで重要な役割として出演しているのがビートたけしさん。
主演のスカーレット・ヨハンソンに対して様々な指示を出すのですが、
日本語で話すので日本語字幕は表示されません。
代わりにたけしさんの日本語セリフのみ、英語字幕がオープンキャプションで表示。


つまり、
英語セリフ:日本語字幕
ビートたけしのみ日本語セリフ音声:英語のテロップ表示、日本語字幕はなし

聴覚障害者にとっては
ビートたけしの日本語セリフが分からないということです。



<日本語字幕版>だと思って安心して観に行ったら
まさかの<日本人キャストの字幕欠落>。
聴覚障害者にとっては、「字幕の欠落=ストーリーの欠落」です。
聞こえるお客さんが、たけしが出たとたんに音声がなくなったら
立派な上映事故となり、苦情が寄せられるはずです。


<日本語字幕>の定義ってなんなのでしょう。
日本語セリフに字幕がつかないのならその旨案内してほしいと思います。
(だからいいってわけではないですが)



日本人キャストが出演の洋画➡英語台詞は日本語字幕➡日本人の日本語台詞は字幕なし➡日本人出た途端話がわからなくなるわたし日本人なのに‼
という日本人混じり洋画あるある。



ある聴覚障害者関係者がこの課題を訴えたところ
9地区のみ『全台詞(セリフ)日本語字幕付き版』上映を行うことになったそうです。
公式HP(http://ghostshell.jp/)のTHEATER(劇場情報)で確認できます。


課題を訴えた人がいたらから「全台詞日本語字幕付き」上映が検討されました。
訴える人がいなければ「日本語字幕の欠落」という重大な課題も
なかったことにされてしまう現実。



日本人キャストが世界で活躍するようになり
スクリーンに登場する人物が多様化しています。
多言語が飛び交う映画、カッコイイですよね。
「ゴースト・イン・ザ・シェル」の中では
ビートたけしが日本語で話していても<脳内信号>というコミュニケーション手段で
問題なく会話しています。
映画が多様化しているこの時代、
日本の映画館も「言語への配慮」をしっかりと検討してほしいのです。


上記自分の体験をもとに、
<字幕上映>というならばすべての音声に字幕が必要な根拠を説明し
改めて検討していただきたい旨をメールで送りましたが
返信はいまだにありません。



世界のキタノの字幕を欠落させるなんて!
おかげでたけしの決め台詞
「狐を狩るのに兎をよこすなバカヤロー!」を英語で覚えることができました。
どこかで使う場面あるかしら