第7回国際ユニヴァーサルデザイン会議2019inバンコクにて

 

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 第7回国際ユニヴァーサルデザイン会議2019inバンコク
モンクット王工科大学にて3/4~3/6まで開催されました。
開会式の司会はスクリーンのアニメーションで
ボーカロイドが進行するという面白い試み。
安倍首相からのビデオメッセージなどもあり。f:id:karinmatasumori:20190304120628j:plain
情報保障は手話通訳、日本語、英語、タイ語の音声と文字通訳。
「UDによる持続可能な発展」というテーマで多様なセッションや論文発表、ワークショップや講演会がありました。
 
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私は、3日目のセッション7
観光のUDパネルディスカッションの司会進行担当。
・フランセスク・アラガイさん(デザインフォーオール財団代表:スペイン)
・瀬戸 優樹さん(SoundUD推進コンソーシアム事務局長:日本)
・宮崎 湧さん(ZOLA Project Vocaloidの声優:日本)
・荒井 利春先生(金沢美術工芸大学名誉教授:日本)

 

テーマも専門も国籍も言語もそれぞれ違う素敵な4名を
パネラーとしてお迎えしそれぞれの立場からお話をいただきました。

アラガイさんは、スペインの観光地バルセロナを本拠地として活躍されており
歳を重ねるにつれて様々な視点が見えてくること
ルービックキューブ的な視点という表現がユニーク)
観光客の70%は外見で分からない障害があり
観光のターゲットはシニア層であること、だから
「ソフトなツーリズムの選択肢を増やす」という話しが印象的でした。

SoundUDの瀬戸さんからはリアルタイムでの情報提供を実現させる「おもてなしガイド」の紹介。
270社が集まって音の世界のUD化を研究され、観光案内はもちろん災害時の情報提供にも期待できる
聴覚障害者にとって身近な話題です。
SoundUDの技術のひとつでもある「VOCALO」について声優の宮崎さんから紹介。
開会式司会を声でつとめた方です。
会場でボカロが歌を歌うデモンストレーションで盛り上がりました。

荒井利春先生は、一本のスプーンからまちづくりまで
徹底したユーザー(当事者)参加型の重要性を説いた第一人者。
暮らし、文化、風土をふくめリアルな現場観察を通して
共感を問題解決に結びつけるワークショップの紹介や、
拠点となる金沢という観光地をUDで魅力的にする例が沢山出されました。

最後に私からは、観光の拠点となる「空港のUD」について。
成田空港、羽田空港国際線ターミナルそれぞれのUDや、
羽田と成田の店舗スタッフへの接客手話研修講師などに関わる立場から紹介しました。
両空港の協力を得て、日本語と英語を併記するスライドを作成し手話でプレゼン。

その後、パネラーとのディスカッションや会場との質疑応答も入れて80分間。
反省点は多々ありますが
国際会議で初めて司会にチャレンジした私にとっては
理想に近い形で終えることができました。

初対面のパネラーの皆さまを現地で探すところから始まり、現地で打ち合わせ。
パネラーの皆さまがベテランでしたので、私自身が楽しみながらチャレンジできたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

実は聞こえない私にとって、台本がない進行は難易度が高く
これまでもお断りしていたことでした。
今回挑戦できた理由は、また別の機会にお伝えしたいと思います。

 

もうひとつうれしかったのは、私の後輩にあたる筑波技術大学の設楽さんが論文発表されていたこと。
陸上競技のスタートの合図が聞こえないと遅れてしまうという課題に対しての研究発表。
彼は2017年トルコでのデフリンピック金メダリスト。
自身の経験から繰り返し行ってきた研究はとても興味深く
参加者からの質問が一番多かった発表でした。
同行されていた担当の白石先生が見守るあたたかな眼差しも良かったなぁ。 f:id:karinmatasumori:20190320220640j:plain

バンコク初日は暑さでバテましたが翌日からはホテルと会議場をバスで往復するのみ。
会議場はエアコンが効きすぎ真冬の寒さ。
ダウンを着ている人やマフラーを巻いている人も多くおり
時々ここがどこだか分からなくなりましたよ。


ホテルと会議場周辺にお店が全くなく、夕飯はホテル直結の空港内で。
イカレー、トムヤムクン、ガパオライス、ソムタム、パッタイととりあえずタイの定番は大体食し、閉会式を終えて帰路へ。
飛行機から星を見るのが最大の楽しみで窓側を希望していたのに
あろうことか、私の席だけ機内で唯一窓がない窓側の席、このときの落胆たるや………
いやはやなんとも。f:id:karinmatasumori:20190320214815j:plain