2128人ものゲストとの響き合い。
ダイアログ・イン・サイレンス2019が幕を閉じました。
私自身は三年目の挑戦。
三年目でやっと
「言葉の壁を超えて人はもっと自由になる」
このコピーを自らが体感できたように思います。
ありがたいことに10日間満員御礼、
私個人としては約200人のゲストをアテンドしたことになります。
お会いしたひとりひとりとの対話がどれも違っていて、どれも豊かな世界でした。
コミュニケーションに困り事を抱えているという方は
友人の勧めでわざわざ遠方からの参加。
極度の緊張から身体は硬直し言葉も発することができない状態でした。
でもここは、言葉がいらない場所。
夏休みに海でもなく山でもなく、
ダイアログ・イン・サイレンスを選択してくれたお客様を信じる。
「ようこそ静寂の世界へ！」「大丈夫大丈夫」「すごい！」
「もっと教えて！」「ありがとう」
そんな言葉を声を介さずに身体や目線でおくっていると
不思議と周囲の方々も呼応するように、温かなまなざしを向け
賞賛の拍手をおくり（もちろん音のない拍手を）サポートしあっているのです。
緊張していた瞳が、少しずつ光を蓄えていくように見えて
硬くなっていたからだがぎこちなくも、私たちと一緒に動いていくのもうれしかったです。
その方は、体験後の気持ちを
長い時間をかけてゆっくりとゆっくりと書いてくれました。
「かんかくの よろこび」
純粋なひとことに胸が震えました。
一文字一文字じっくりと身体の奥底から生み出すようにしてあらわれたことばです。
少しの沈黙の後、一斉に音のない拍手が鳴り響きました。
小学生から大人まで、初対面同士であるのに
たがいにうつしかえし、響き合い、そうしてできてあたたかな空間でした。
一方で「静かな爆笑が止まらない」グループとの出会いも。
最初はなんだかお互いに探りあっているような雰囲気もあったのですが
「目で見る拍手」を覚えてからは
だれか一人が表現するたびに拍手が沸き起こるチームに。
面白いと拍手！
スゴイと拍手！
感心すると拍手！
わかりやすい！と拍手！
その手があったか！と拍手！
おかしくっても拍手！
ちょっとちがっていてもテヘヘな拍手！
ひとりひとりがこんなに尊重しあうチームってすごい！と
わたしもとびっきりの拍手の連続で腕がふりちぎれそうに。
そうして最後には、もう、椅子から転げ落ちそうな勢いで笑いが起こり
笑いは伝染し、涙が出そうなほど。
声を出してはいけないので、
互いに「しーーっ」とやりつつも笑いが止まらず
某テレビ番組の「笑ってはいけない」みたい。
静かな爆笑につつまれるダイアログ・イン・サイレンス。
昨年、期間中に三回も参加してくれた聞こえない少女との再会も忘れられません。
「あれは魔法？私にも魔法教えて！」
「じゃあ大きくなったら一緒に魔法の練習をしようね、待ってるよ」
こんな会話を交わした昨年。
今年もまた来てくれて、偶然私のユニットに。
昨年以上に、イキイキと動きまわり、豊かな表情でチーム全体を盛り上げてくれました。
体験後のゲストからは「アテンドがふたりいるみたいだった」といわれ
彼女と顔を見合わせてにんまり♡
終了後に、手紙を受けとり感激して思わずハグハグ。
「いつになったら魔法の種明かししてくれるの～？」と彼女。
「あと９年たったら一緒に練習できるよ。それまで待っているからね。
でもそのときは、私はおばあさんになってるかもしれないから
魔法を教えたらあなたがほかの聞こえない子に教えていくんだよ！」と約束を。
ダイアログ・イン・サイレンスが
聞こえない子どもたちの憧れの職業にもなれるなんて
思ってもみなかったことです。
本当にうれしい。
あるアテンドが
「ここにいると、人間っていいなぁと心から思える」と
言っていたのですが、深く共感しました。
ひとりひとりが本来持っている
「伝えたい」という気持ち。
「つながりたい」という思い。
「信じたい」という希望。
それらをたがいに引き出しあい、響きあい
分かち合うことができる空間。
それがダイアログ・イン・サイレンスだと思いました。
終えてみてやっぱり思い出すのは、三年前
ダイアログの発案者であるドイツのハイネッケの言葉。
「終わりははじまりのはじまり
はじまりは終わりのはじまりだ！」
支えてくださったスポンサーの皆さま、ボランティアやアテンドの仲間たち
関わり、応援してくださるすべての皆様へ海より深い心からの感謝を込めて。
9月20日までクラウドファンディングにも挑戦中です！
https://readyfor.jp/projects/dialogue
