成田空港に聴覚障害者配慮型テレビ電話つきエレベーターが

成田空港第3ターミナルの増築エリアに
国内の空港では初となる「テレビ電話付きエレベーター」が。


“エレベーターでは聴覚障害者配慮型テレビ電話を採用。
助けが必要な際に「SOSボタン」を押すと、
筆談や身振り手振りでコミュニケーションが取れるテレビ電話となっている“


とのこと。
一般的な電話のマークの非常ボタンでは
通話ができない不便さがありましたが
テレビ電話があれば、相手が手話ができなくても
様々な手段でコミュニケーションがとれます。
何よりも人の顔が見えるのが安心感につながります。


過去にNHKハートネットが聴覚障害者100人に聞いた
困りごとの調査結果の
第2位が「エレベーターの非常通報ボタンが使えない」でした。
https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/46/


これが解決されるシステムはとてもありがたいものです。
現時点では、第3ターミナルに二基だけ設置されていますが
ほかの(テレビ電話がない)エレベーターでも安心できる仕組みがあります。
成田空港のエレベーターの非常ボタンはすべて「SOS」ボタンです。
ボタン下の説明文には
----------------
非常のときに押してください
係員に連絡できます
押し続けると係員が来ます
----------------
とあります。
つまり、音声での対応ができなくても
ボタンを押し続けることによって係員がすぐ駆けつけてくれるシステム。


成田空港のユニバーサルデザイン推進委員会が始まって3年目。
今もなお、月に1~2回ミーティングを行い
当事者参加型の議論と対話を繰り返しています。
朝から夕方までほぼ一日かけた議論を、一年半で35回以上というすごい数。


エレベーターがテーマの議論では、
聴覚や言語に障害がある方でも安心して利用できるものを、と
毎回時間をかけています。
「テレビ電話付き」の案は以前からあったものの
現在のエレベーターでは前例が少なく難しいことがわかっています。

それでも。

よりよいものを目指すには、
新しいことにチャレンジする精神も必要です。

長い時間と議論を重ね、国内の空港初という
テレビ電話付きエレベーターの導入を決意したのは大きな一歩だと思います。

これがきっかけとなり、もっと良いものにつながるといいなと願います。

 

ほかにも動線や、サインなど、LCCの空港でありながらも
様々なユニバーサルデザインの事例が散りばめられた第3ターミナルの増築部分。
ぜひご覧くださいませ。
以下写真付きの分かりやすい紹介記事です。
<成田第3ターミナル、増築エリア5日から供用 出発・到着客分離で混雑緩和>
https://www.traicy.com/20190904-NRTt3arr
千葉日報
https://headlines.yahoo.co.jp/hl