子育て20年

子育て20年。
「実体験」と「人との出会い」。
この二つを何よりも大切にしてきました。
毎日が新しい彩りに満ちた子育てだったように思います。

身体が弱く毎週あちこちの病院をハシゴしたり入院したりの繰り返し。
子どもの体調が心配なのに、医師との意思疎通がうまくいかなかったり
心無い対応に涙を呑みこむこともしばしば。
でもいちいちそんなことで傷付いている暇もない程
その場その場での選択、対応に追われていたっけ。

意思疎通をしっかりするために
育児日記をつけて、毎日息子の起床時間、授乳、おしっこ、うんち、昼寝、食事、げっぷの回数などを
事細かく記録し、病院に行くときに持参していました。
改めて見てみると本当に細かく観察していることがわかります。
必死だったんだなぁ私。
でも、こうした経験から、病院へ行くときは今でも(自分のことでも)
症状や経過をメモして受診するようにしています。

おかげで当時連載執筆していた聴覚障害情報雑誌「いくお~る」では
「カリンの病院巡りエッセイ」と称してネタは事欠かず。
成長とともに、病院へ行くことは少なくなり
野生児状態に突入。

小学生時代は、幼馴染たちと毎日のようにドブ川通い。
オタマジャクシにザリガニ、カメ、魚、トンボにカブトと毎日よりどりみどり。
そんなドブ川まみれの子育ての様子をブログに綴っていましたが

2008年ころの記事を改めて読み返しました。

<2008-05-28 ガイコツが泡を吹いています>
https://karinmatsumori.hatenablog.com/entry/20080528
写真がもうすべてを物語っています。

2008-06-22 金魚のエサは臭くてマズイ>
https://karinmatsumori.hatenablog.com/entry/20080622
汚いことも、臭いことも、危ないことも、楽しいことも、
嬉しいことも、すべて身をもって経験することで初めて理解でき、
その後の人生の糧となるのだと思う。
……なっているのかなぁ。

<2008-07-12 世界に一人だけの漢検
https://karinmatsumori.hatenablog.com/entry/20080712
「ママ、前漢字検定落っこちたでしょ?」
起き抜けの私の前に出された問題用紙の表紙には
「世界でたった一人だけの漢検
…合格メダル今ももっています!

<2008-09-22 オリジナルろ過装置>
https://karinmatsumori.hatenablog.com/entry/20080922
生き抜く知恵とたくましさに。

2009-03-29 帰りたくない>
https://karinmatsumori.hatenablog.com/entry/20090329
我が家に男児数名が遊びに来る
「靴をそろえてね」といったら素直すぎるそろえ方。
日頃から聞こえない私とは目を合わせる意識付けがされていたからかしら。

こんなこともあったんだなぁと、懐かしすぎてキリがない…。

かつて私の父親がこんなことを言っていたのを思い出しました。

「親は子どもが育ててくれます。子にとってそうであるように親にとっても。」

本当にそうだなって。
私自身もまた、息子や彼の周囲の方々の中で育てられ、共に生きてきたのです。
人生の中でもかけがえのない時間でした。
感謝の気持ちしかありません。

汚いことも痛いことも臭いことも
嬉しいことも悲しいことも幸せだと感じることも
すべて実体験と、そして人との出会いの中でしか得られないと思います。
あのころの「あいつら」は今も彼らの中にいるだろうか……いてくれたらいいな。

今日は成人式。
それぞれがそれぞれの人生を歩んでいるけれども
会えば変わらぬ笑顔で目を合わせてくれます。
堂々と乾杯できるのが何よりもうれしい私。
成人式に向かう彼らを送り出す朝。
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