マスク蔓延状態での、あたたかな一言。

「マスクをしていると聴覚障害のあるお客さまは不安ですよね。
 筆談のほうが安心でしょうか?」

 

羽田空港ステーショナリーを扱うお店で
スタッフから声をかけられました。
なんて嬉しい言葉でしょうか。
聴覚障害のあるお客さまの立場を想像し
その気持ちに寄り添ったからこそ出てくる一言だったと思います。
後からじわじわと感動がこみあげてきました。

今や新型コロナウイルス感染症予防の為に
接客をする空港内の店舗スタッフも
案内カウンターのスタッフでさえもマスクを装着しています。

毎年花粉症も増えるこの時期にはマスク率が高まりますが
今年は私が知る限り最高のマスク率。
利用客も含めて、マスク率95%といった感じでしょうか。

人の表情が見えず、無機質な人々の集まりに見えてしまいます。
包帯ぐるぐる巻きの目だけ出しているマンガのミイラみたい。

聞こえない人は、話しかけられたら
まず口の形を見て読み取ろうとしますが
マスクで口形も表情も遮断され
相手が「話しているかどうか」さえも分からないのですね。

 

それは、
話し言葉が消えて、言葉そのものがまるで見えない状態。
とでもいうのでしょうか。

 

私は、空港内の店舗スタッフに接客手話の講座や研修を企画しているのですが
相手が聴覚障害者だと分かったら可能な限りマスクを外すことを伝えています。
でも今は、そんなことも厳しい状況。
それぞれが自分の身を守ることも大切です。
ですから、マスクをした状態でも表情を伝えられるかどうか
そんなことを意識しながら進めてみるようにしています。
アイコンタクトも重要ですね。

そして、一人でも多くのスタッフが
冒頭のひとことのように、他者の立場を想像し、
その想いに寄り添うことができるように
まずは、わたし自身がそうでありたいと思うのです。

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レジの横に堂々と設置された筆談用具、スタイリッシュで素敵

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