早稲田大学での授業。コロナ時代。

f:id:karinmatasumori:20201228234537j:plain学生不在の講義。シュールです。
早稲田大学での講義「障がいの理解と支援」は
多様な当事者がゲストスピーカーで生の声を聞けるのが醍醐味の授業。
3限目は妹のようだけど頼れる酒豪姉さん志磨村早紀ちゃんによる聴覚障害の解説。
基本的な知識や困りごと、多様な聞こえ方と聞こえなさ、
心理面にいたるまで、とってもわかりやすいお話を。
4限目は私の方から、ユニバーサルデザインをテーマに公共施設やエンタメなど
「一緒に利用できる、一緒に楽しめる」という視点の話を。
オンラインでのライブ配信講義なので、
講師と担当先生や関係者のみ講義室に集合。
カメラの向こうの学生たちを思いながらカメラ目線での講義もすっかり日常化。
突然画像が消えてしまったり、
音を消して動画再生するはずがうっかり音が出てしまい
「聞かなかったことにしてね!」と、
そんなわちゃわちゃも一緒に楽しみつつ。
だからなのか
「松森さんの明るい笑い声にとても励まされた」という感想も。
今年はどの大学でもオンラインで、共通しているのは
「表情や笑い声」に関するコメントが多いことです。
二つ紹介したいと思います。
 
■「音声言語に縛られない=コミュニケーション手段が豊か」というのは、
この今のご時世を思うとより一層強く共感しました。
色々なコミュニケーション手段を持て
ば、その分色々な人と対話を楽しめることは、至極当たり前のことでありながら、実践には少しの勇気がいるものです。どうしても自分にとって一番都合良く簡単な手段を選んでしまうし、共通点に多い者同士で結束を固め集まりがちになってしまうのは、人間の本能だと思います。
しかし、使える手段を増やしてみればその分だけ共通点のある人の人数が増え、世界が広がるのだろうと思えば、他に代えられない価値があるように感じます。
「多様化を認めて共存する」なんて言うのはとてもありきたりなフレーズではあるけれど、社会の一構成員として生活する上で、一番難しいけれど一番大事にしたいことだなと思いました。
■特に印象深かったのは、志磨村さんと同様で“笑顔”そして、“笑い声”です。
こちらも笑顔や笑いたくなるくらいの素敵さでした。紹介された、耳が聞こえないからこその表情の豊かさなのかと思いました。その点からも最後に紹介された『ダイアログ・イン・サイエンス』はぜひ体験してみたいと思いました。
 
毎日様々なオンライン授業を受けている学生にとっては、
表情があることや、笑顔や笑い声は受講時の気持ちにまで影響するようです。
でも実は講義をしている私が一番楽しんでいるのかもしれない。
目の前に学生がいなくても、
「〇〇だと思う人手を挙げて。って誰もいないわ!」なんてカメラに向かってのひとりノリツッコミせざるを得ない状況でも、
それでも学生たちとつながる機会があること、つながる手段があること、それが嬉しいし楽しい。
来年度は酒豪サキちゃんとの対談案もでている。

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