大人だって先生だって知らないことがある。それを伝えられること

東海大学付属高等学校中等部一年生対象に講演。
近畿日本ツーリストさんの「心のバリアフリープログラム」は
共生社会やユニバーサルツーリズムの推進を目的とし
講演+ボッチャ体験会などとセットで行うことが多いです。
なので皆さん、体操服でリラックスした参加。

講演は朝の一限目から。
早朝の学校に到着すると、すれ違う生徒も部活動中の生徒もみな
「おはようございます!」と挨拶をしてくれるのです。
しっかりと足を止めて、目と目を合わせての挨拶。
清々しくて気持ちが良く、朝練の様子も皆さんとっても楽しそう。
講演前の担当先生のお話にも、挨拶とお礼をしっかり伝えることの
大切さがありました。
いい学校だなぁ。
そんな流れでいくつかの挨拶を手話で覚えてもらえたのも嬉しい。

講演中、私からの問いかけに対して最初はおとなしかったものの
「安心して発言できる」とわかったとたん手が沢山挙がるんですね。
答えがちがっていても、どの回答もユニークで
私にとっても新しい発見です。
そんなことをみんなで共有し、楽しむプロセスも大切にします。
時間はかかっても、思考を止めることなく
先生方も巻き込み、最後の最後で正解がでると、自然と大きな拍手に。

講演後、先生が終わりの挨拶のときに
こんなお話をしてくれました。
「反省したことがひとつある。
相手が聞こえないとコミュニケーションが大変だと思い込んでいたが、
聞こえない人の立場では、手話などコミュニケーション手段を
持たない人と話すのは大変だということ。
立場を逆にすればお互い様という視点に、改めて気付きました。」と。

大人だから何でも知っている。
先生だから何でも知っている。
ではなくて、大人だって先生だって知らないことや発見があること
それをまっすぐに伝えてくれると、
子どもたちも安心して
分からないことを伝えていくことができる。

私が講演で大切にしている
「視点を変えると価値観が変わる、視点を増やすと世界がひろがる」
そんなことを少しでも感じてもらえたかなと思いました。

最後には、全員が「ありがとうございました」と
私にも伝わるほどの大きな動きの手話で伝えてくれました。
空気を揺るがして伝わってくる臨場感、やっぱり対面っていいなぁ。

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