2度目の万博とアクセシビリティ・UDレポ。取材対応に万博名人に。

「一日目は万博、二日目はUSJね!」
そんな会話を交わしたのはいつ頃だったか。
自分たちの年齢も省みず、なんと無謀な計画でしょうか。
(しかも私はその後TDRの予約も入れていました)

さてさて私たちは、ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」として
「いのちの遊び場クラゲ館」に少し関わりました。

クラゲ館内部の壁は「協奏タイルプロジェクト」といって
全国の教育機関等で、作成したタイルシートで作られています。
対話の森のメンバー達も、思い思いにモザイクタイルを作成したのです。
29名分の作品の壁を見にいかねば!
と集まったのが今回の4名。
色々とハンパない最強メンバーです。

よくよく調べると開場の10時目指すには、
朝4時起きで新幹線に乗らねばならない。
よくよく聞いたら1泊分の荷物を預けるロッカーなどはないそうで。
よくよく考えたら6月末は梅雨真っ最中で暑さも厳しい時期。
ここ数年どこに行ってもことごとく警報級の雨に降られ
「大雨女」のレッテルもらってる私。
ずぶ濡れもイヤですが暑いのも苦手なんです。
よくよく注意して、撥水加工のある洋服にしました。
しかも万博での体験に半日テレビの密着取材が入ることに。
きれいにしていかねば。ああ大変!
よくよく計画して事前にパビリオン抽選に臨んだものの全部ハズレ。
唯一予約がとれたのは「クラゲ館」のみ、
よくよく考えたら、クラゲ館は取材コースに入っているので
予約がなくても大丈夫なのでしたよ。大丈夫ですか私たち。

そんなこんなで当日6時過ぎ、無事に全員集合。
家を出るときはやはり豪雨でした。
新幹線の席を向かい合わせにして
よくよく寝坊せず集まれたと早朝からテンション高い宴会状態。
途中青空が見えてきて、奇跡だとはしゃいでいたのに
八代亜紀の歌の話題になり
「あめあめふれふれもっと降れ~」と歌いはじめたら
新幹線の外が一瞬で曇り、窓ガラスを叩きつけて流れる雨が。
あまりにも出来過ぎたタイミングに自分でも唖然。
「もう歌っちゃダメ!」と歌禁止令が出た。すみませんw

途中電車が停止して、少し遅れたものの
取材担当のTOKYOMXのキャスター田中陽南さんと合流。

一泊分の荷物やPCなども背負っている我々が向かう先はクロネコヤマト
「荷物預けるならヤマトへ!」と
こっそり教えてくれたのは、関西のアクセシビリティ専門家ワタベヤスヨちゃん。
彼女はおそらく日本でいや世界で一番万博に通っている
難聴女子ではないか。
ほぼ毎日万博情報をFBでアップしている。
万博に通うために大阪に引っ越した万博おばあちゃんが
話題になってますが万博女子、というか万博名人ここにあり。
彼女に聞くと「道以外」は何でも教えてくれるのです。
困ったときは万博名人へ!
ヤマトのカウンターでは、
指差しコミュニケーションボードがありとても分かりやすい!全国のヤマト窓口で置いてほしい。

そんな折、万博名人から「大雨警報が出ています」とメッセージが届く。
もう何が起こってもおどろかない。

身軽になった私たち、傘を差しつつまずはクラゲ館で撮影ですが
カメラマンチームがトラブル発生でまだ入場できていないとのこと。
トラブルは旅の醍醐味です。
田中キャスターが急遽カメラマンに。
雨模様のお天気でしたが、カメラマンチームが合流すると晴天に。

「最強の晴れ男」なんだそうです。
私に勝ってくれるなんて、なんて頼もしい!
ずっと一緒にいてほしいですが撮影も終わり、
取材メンバーと別れるころ
再び傘を開くわたしたち…。
取材時の様子は、別の記事で紹介しておりますが
クラゲ館で、ジャンベというんですか?コンガかな?そんな
打楽器を、HEROと交互にリズムよく打ちたい私たち。
なのにどうしたってリズムが合わない私たち。
「この2人で餅つきしたら手が砕けるよね」と
エアで餅つきを始めてみたら
どうしたってHEROの手の上に杵をおろしてしまう私。
クラゲ館の中で必死にエア餅つきをして爆笑する我々、
カメラが回っていることすっかり忘れていました。ドリフか。

クラゲ館プロデューサーの中島さんと。

とにもかくにもビール補給せねばと、ビールを求めてウロウロ徘徊。
雨の中、20分ほど並んでビールゲット。
ぷはぁ~…。生き返る……。

生き返り、どうしょうもないことで爆笑しつつ生き返った我々が向かったのは
「いのちの動的平衡館」。
ここでは視覚障害者に対するバリアフリー音声ガイドや
聴覚障害者に対しては字幕と、触覚体験というアクセシビリティがあるとのこと。
知人が予約を取って下さったので、好意に甘えて体験しました。
暗闇の中で、無数のLEDが一斉に光り出し
細胞分裂や生命の誕生から進化を表現。
先ほどビールで生き返った自分の細胞を見ているかのようです。
触覚体験は2つの球体を手の平におさめて感じ取る方法。

まず球体というデバイスが、新鮮。
程よい重みがあり、微細な振動からゾウがズシンズシンと歩くような
ダイナミックな振動まで感じられて不思議です。
「命とは繋いでいくもの」だと感じさせてくれる体験。
なのに、途中うっかり球体を落としそうになる私。
最後の映像には英語と日本語の字幕も。

見えない人や聞こえない人へのアクセシビリティ
最初から整備されているパビリオンって、いいですね。

アフリカンダイニングで腹ごしらえし
再び生き返った私たちは中東を感じる建物の「サウジアラビア館」へ。
映像には日本語の字幕があり、各部屋の入口のテーマに
点字表記もありました。

「中国館」は伝統的な書道の巻物を広げた形の外観。

巨大スクリーンの迫力ハンパない。形も円形や曲線など多様。

映像にはすべて日本語の字幕もあり
二次元コードで音声ガイドが聞けるシステムも。
緩やかなスロープなどバリアフリー設計もいい。

中国から出たころ、なんと仕事を終えた万博名人ワタベ氏登場!
一つも予約が取れなかった我々に強力な助っ人現る。
ここからは名人おススメの「ポルトガル館」へ。
隈研吾さん設計で、漁で使うロープがぶらぶら垂れさがる不思議なデザイン。

ポルトガル語が由来となっている日本語
オルガン、マルメロ、アルコールなどを声で紹介する映像の
唇の動きがエモい。

海の視点から人類へのメッセージ映像は、没入型の巨大スクリーンで
ここでも英語、ポルトガル語、日本語の字幕がありました。
鑑賞後は思わず拍手をしてしまったほど。
日本人には作れなさそうな強めのメッセージ演出。
まるで、障害の個人モデルの視点から、社会モデルの視点へと
発想の転換を促すメッセージにも重なっていて、
万博名人が勧めてくれた理由が分かります。
これから行く方はぜひポルトガルへ!

お次は名人も初の「カナダ館」。

外国のパビリオンは、スタッフも現地の方なのですが
聞こえないことを伝えると、「こんにちは」「ここでお待ちください」
「ありがとう」など日本のカタコト手話で伝えてくれるのです。
カナダのスタッフなのに、日本の手話ってコミュニケーションレベル高っ!
ここでは、ちりとりの様な形状のタブレットを氷河にかざすと
ARでダイナミックな風景が映し出されます。

映像が出るときにはブルブルッと震えて教えてくれる。
うまくできないと、すぐスタッフが来て気さくに助けてくれる。
入り口では、写真はNGと書かれていたのですが
出口でタブレットの写真とってもいい?と
身振りで尋ねると「オッケーオッケー!中でとっていいよ!」って感じで
もう一回中に入れと促してくれました。

ここでも「ありがとう」手話(日本の)が出てくるし
どんな研修受けてきたんだろう、カナダ館のスタッフの皆さん。

夕暮れも美しい。
名人も大満足でお次は「フランス館」

フランス館のテーマは「愛の賛歌」
展示には二次元コードがあり、作品の説明をテキストと写真で見ることができる。

明るく輝くルイ・ヴィトンの技を伝える展示は
85個ものトランクが圧巻。

ディオールの展示は真っ白な空間の中に
ミニチュアから実物大まで真っ白なドレスがざっと並ぶセンス。

ロダンの彫刻も点在しており、静と動、光と影、自然と人間、職人技とテクノロジーなど
あらゆる対話を感じられる展示でした。
「美しいものを生み出すための執念」とでもいうのでしょうか。

うっとり大満足で出ると、外は真っ暗。
ここで帰りのバスの時間が迫る名人とはお別れです。
万博名人ワタベ氏のおかげで充実した万博時間を過ごせました!
繰り返します。
万博のアクセシビリティについて知りたかったらワタベ名人に聞け。

この後は、19時45分からのドローンショーを見る予定です。
せっかくだから大屋根リングに上がって見よう!ということでまた歩き続ける私たち。
どこへ行けば見えるかな。
リングにあがって警備員さんにたずねてみる。
リングにあがってってプロレスじゃないんだから。
ふざけている私たちに警備員さん、まさかの一言。
「ドローンショーはもう終わりましたよ!」
「え」
「え!」
「えー!?」
リングの上でなんて間抜けな叫び声と爆笑。
時間をまちがえていたようです。
あの迫力ある1,000機以上のドローンショー楽しみにしていたのに。
雨もやみ、ちょっと涼しくなったリングの上から万博の夜景を臨む。

なんだかんだで目一杯遊び尽くしました。
その夜はホテルに戻り、ビールやワインを買い込んで乾杯して生き返り。
爆笑の振返りタイムで気がづけば深夜1時過ぎ。
翌日はUSJ……体力…!

大阪万博2回目でしたが、今回もやっぱり思ったのは
働くスタッフの皆さんがとても楽しそうなこと。
こちらが聞こえないことを伝えると
カタコトの手話であたふたしつつも笑顔で
「お気をつけていってらっしゃいませ」と送り出してくれるのです。

外国のパビリオンの外国人スタッフでさえも
日本の手話で対応してくれるコミュニケーション力の高さ。
とてもフレンドリー。
関東と関西の違いなのか、あるいはたまたまなのか
あるいは万博という多様な国が集まっている特性なのか
デフリンピックを迎える東京都でも、こうであってほしいな。

外国のパビリオンの映像には必ず英語字幕とともに日本語の字幕があります。
当たり前のようなことなのですが
実は日本で作られた映像には日本語の字幕がないこともしばしば。(万博内は全てチェックできていないので分かりませんが)
音声が日本語だから不要、ではなく
聞こえない人もいることを忘れないで欲しい。

万博内では「テキストアナウンス」というサービスがあり
二次元コードで、万博内の音声アナウンスがすべて
リアルタイムで文字で見られるようになっています。
こうした技術を、万博内だけでなく
「社会のインフラ」として
「持続可能な仕組み」として
いつでもどこでもだれでも享受できるようにしていく必要があります。
万博やデフリンピックの間だけの一過性の盛り上がりにすることなく、
その後どんな社会になっていたいか、
それを実現させることが万博やデフリンピック
レガシーにもなるのではないでしょうか。

そうして私たちの爆笑しっぱなしの旅の夜は更け
猛暑のUSJへと続くのでした。
つ……づくのか否か、、

中央大学「キャリア・デザイン」の授業

中央大学では「キャリア・デザイン(1)」の授業。
変化や分断が多く、生きにくい現代社会の中で
どうキャリア形成していくのか、大切なテーマです。
2018年からゲスト講師として講義をさせて頂いていますが
きっかけは中学時代の同級生であり、中央大学文学部の教授、大川真君。
いつも貴重な機会をありがとう。

質疑応答では、沢山の手が挙がり「問う力」の高さを感じます。
本質をついた質問は、良い対話につながりますね。

学生からは
「今回の講義は新しい発見ばかりで
最近受けてきた授業の中で一番興味深いものだと感じた。
マイノリティーの視点を持つ人だからこそ
発見できることや考え方はとてもすてきだと感じたし、
貴重な視点だと感じた。
自分の中で、もっと多様な視点で
ものごとを見ることの重要性を改めて認識することができた」

「一番印象的に思ったのは、
『聞こえないことが強みになる』という言葉である。
松森さんは、音を失ったことで世界が閉ざされたように
感じた過去を抱えながらも、自分自身と向き合い続け、
やがてその経験を力に変えた。
特に、補聴器を通した音を
『ピントが合わない写真』のように感じるという表現は、
聞こえることが当たり前である自分にとって衝撃的であった。
これまで私は「障害がある人には何かができない」と
無意識に考えていたが、
実際には社会の側にある「前提」がバリアを生んでいる
という視点に気づかされた。
医学モデルではなく、社会モデルという考え方によって、
誰もが生きやすい社会をつくることができるという希望が見えた」

「『普通とは何か』という意識が変わった。
『大学に行って新卒で就活する』、これが私の感じていた普通で、
それから逸れたら失敗のように感じていた。
しかし、それは消極的なキャリアの決め方だし、
そのような人生は辛いものだと思う。
それが普通だからとよく言うが、その普通とは
今までの偏見の塊で、自分にとっての最適解か
どうかということは考えられていないなと感じた。
これからは視点を変える、増やすことで
自身のキャリアを考えていきたいと思った」

視点を広げ、増やし、転換することで見えてくる世界が、
キャリア形成を考える上で少しでもつながっていくといい。
授業後も何人もの学生が声をかけてくれたり
質問に来てくれました。

今年は、授業前に「ダイバーシティセンター」にお邪魔しました。
コーディネーターの田中真理子さんがご案内してくれました。
中央大学では学生支援のネットワークがとても充実しており
ダイバーシティに関するイベントにも積極的です。
田中さんとは2018年ダイアログ・イン・サイレンスの
イベントで出会ったのですが、実は前職の
オリエンタルランドにいた頃からすれ違っていた可能性もあり
あちこちで色んなご縁でつながっていることが分かりました。
人の縁って本当に不思議。

青山学院大学「障害者の心理学的理解」

青山学院大学コミュニティ人間科学部
「障害者の心理学的理解」での授業。
担当の植月美希先生とは、CM字幕の取組の中で知り合って以降様々なご縁があり
2021年より、毎年授業で呼んで頂いております。

授業の中では様々な問いかけをするようにしています。
問いかけることで、そもそもの前提を考え直したり
視点や発想を転換することができるからです。

学生からのレポートで個人的に印象に残ったのは
「私は20歳ですが、
これまで耳が聞こえない人の話を聞いたり
関わったりする機会がほとんどありませんでした。
今回の講義で松森さんが実際に話している姿や過去の経験を
知り、知らない感じ方の世界が沢山あると知りました。
それと同時に耳が聞こえない人との関わりが
20年間なかったことに疑問を感じました。」

この気づきは、
障害のある人とない人とが分断された
教育環境であったことを示唆しています。
哲学者のマルティン・ブーバー
「私たちが学ぶための唯一の方法は 出会うことである」
という言葉を残しています。

インクルーシブ教育、ダイバーシティ、DEIなど
お飾りの言葉だけでなく、
実際に出会う場や機会を創出していかなくてはならない
そんなふうに思いました。

 

そのほか、
聴覚障害の方とは手話がなければ会話ができないという
固定概念に縛られていたことに気づかされた。
実際に『会話ができない』と思い込んでいたのは、
手話ができない私たち側であり、
その考えが無意識のうちに壁をつくっていたのだと感じる。
しかし、松森さんは私たちに伝えようとし、
積極的にコミュニケーションを図ってくださった。
その姿勢に触れ、『できない』と決めつけてしまう
自分自身の思考を見直す必要があると強く感じた」

こんな気付きが寄せられました。
学生一人ひとりの受けとる力が高いことが伝わります。

 

「前の席に座っていて感じたことですが、
松森さんはお話をされる時、
本当によく私たちの顔を見ておられました。
私たちのリアクションや考えている時間も
言葉だけではない私たちの発するサインを
感じ取られていた気がします。」

このように感じてもらえるのは、
ダイアログ・イン・サイレンスを
7年続けてきた賜物とも言えるかもしれません。
この授業を通して、聞こえない当事者との出会いの場を
創ってくださる植月先生に感謝です。
相模原キャンパスは遠いのですが、緑が多くて落ち着きます。

余談ですが、キャンパスまでの途中で見かける歩道橋、不思議な急勾配の階段があります。


パースが狂ってるような、騙し絵みたいな、そうだエッシャーみたいな感じ。
階段の幅もめちゃくちゃ細くて、酔ってたら降りる自信ありません。

栃木シルバー大学校、毎回パワフルなご縁

60歳以上が学ぶ、栃木シルバー大学校での授業は今年で19年目。
矢板市小山市宇都宮市と県内3か所を回ります。

シルバー大学校では、地域活動や交流の輪を広げる学習を中心に、入学式も卒業式も学園祭も卒業発表もあります。
クラブ活動も活発で、
アフリカンダンス、ウクレレ、オカリナ、きのこ、麻雀、
そば打ち、川柳、日光彫、マジック、和服、手話もあり
中央校では39クラブ、10同好会が活動中。
すごい種類です!
私も「きのこクラブ」に入りたい!

南校では授業後に、クラブ活動の作品が展示されているスペースに行くと、
受講生が展示棚をガラッとあけて
「陶芸クラブで作りました」と
深くて渋い緑色が美しい器を取り出して見せてくれました。
真っ白の冷ややっこを入れたら美味しそう!
そんな話をしていると
「お土産にどうぞ!」と。
なんて嬉しいことでしょう。
大切に持ち帰り、食卓を爽やかにしてくれています。

そして矢板市の北校では、タクシードライバー
なんとコーダのKさん。
2年前帰りの矢板駅無人駅。
なのに改札でトラブル発生し
「問合せインターフォン」で
音声でのやり取りができずに四苦八苦している時
神のように現れて手話通訳してくれたのです。
とても助かり嬉しかったことを、シルバー大学校にお伝えすると
担当者がタクシー会社に出向いてお礼を伝えて下さったそうです。
それ以来、毎年Kさんがドライバーとして送迎してくれるように。
専属ドライバーみたいで嬉しい!
つかの間の手話でのおしゃべり、年に一度の楽しみ。
この時の神エピソードはこちらのblogに。
<2023-04-14パスポート化した切符、栃木県シルバー大学校17年目>
https://karinmatsumori.hatenablog.com/entry/2023/04/14/172501

コーダのKさんとの出会いから
昨年はお母様とビデオチャットで手話でお話させていただき
今年は公開講座ということで、なんとご両親が参加してくれました。
なんと福島からわざわざ車で。ありがたいことです。
お二人ともろう者なので、手話で賑やかにおしゃべりしている様子を
生徒の皆さんも興味津々。
公開講座も楽しんで頂けたようで
私にとっても、嬉しく楽しいひと時でした。

毎年こんな面白い出会いがあるシルバー大学校。
お会いする皆さんは、親と同世代、朗らかでパワフル!

入学すると「生きがい推進員」に委嘱されるんだそうです。
生きがい推進員とは、長年培ってこられた知識や経験、技能を活かし、
地域社会で活躍していただくことを目的に、
社会福祉法人とちぎ健康福祉協会が委嘱しているものです。
平成4年度からの委嘱者数は、現在、1万人を超えているそうで
栃木県の高齢社会に即した取り組み、全国で必要性を感じます。

手話通訳をしてくださるのも、もちろん卒業生です。
お土産や、手作りのちりめん山椒を頂いたり
年に一度の楽しみですが、どうか来年も元気にお会いできますように。

栃木県シルバー大学校
https://silver.tochigi-kenkoufukushi.com/

7月25・26日は第45回学校祭が!
https://www.tsu-sc.com/movie/gakkosai2025/

栃木のいちごづくしも美味しかった🍓

TOKYO MX報道番組「堀潤 Live Junction」で 大阪万博での様子が放送

7月2日TOKYO MX報道番組「堀潤 Live Junction」で
大阪万博での体験の様子が放送されました。
見出しは
デフリンピックまで4か月、万博会場の情報保障は」
私は、ユニバーサルデザインアドバイザーとして
HEROこと大橋弘枝さんはデフリンピック開閉会式演出家として出演。
きっかけは、私が万博初日のアクセシビリティやUDの様子を
SNSにアップした記事を
キャスターの田中陽南さんが見て下さったことでした。
たまたま6月末に万博に行く予定だったので取材していただきました。

この番組は、字幕放送対応ではないため
事前に何度も相談した結果
代替手段として、画面右上に表示された二次元コードから
リアルタイム字幕を見ることができるという方法を検討してくれました。
(結果的に、番組の中では
これも情報保障の一つだという紹介がすごくよかった!)
さて取材当日(朝4時起きの豪雨でスタート)
アクセシビリティセンターにてまずは「しゃべり描きアプリ」。
話す→なぞる→文字がふわっと出る、3工程が必要。
なので、コミュニケーションを楽しむ方法としては良いが
早く、正確に、が求められる場合はすぐに文字表示されるほうが良いこと。

「遠隔手話通訳サービス」では、途中で止まってしまい
災害時なども重要なサービスであるが
通信状況に左右されることも考える必要があるという話をしました。

そのほか、多様な障害のある人たちが
制作の段階から関わった「いのちの遊び場クラゲ館」で
私たちが遊んでいる様子も。


視覚や聴覚、触覚など五感を使った遊びが多くありますが
HEROからはデフリンピック開閉会式演出家として
「見えない音を視覚的に楽しめる豊かな表現が必要なこと、
万博の彩り豊かなアイデアを参考にしたい」という意気込みも。

また、会場内の音声アナウンスがリアルタイムでテキスト化される
「テキストアナウンス」は
「万博だけでなく、他の場でも
当たり前のように社会のシステムとして浸透するといい」と話しました。

私たちが遊んでコメントしている様子を
スタジオで、田中キャスターをはじめ、コメンテーターの皆さんが
掘り下げてくれます。
ダイアログでもお世話になっている
みたらしかなさんは
手話も言語のひとつであるという認識が薄いという現状、
手話も字幕も両方必要だということ。
デフリンピックを機に、都内で進む様々な取組に対して
堀潤さんは、テキストアナウンスのように見える化の仕組みを
持続可能な仕組みとして、実装するための
予算の問題をどうするのか?という課題提起。
それに対して経済アナリストの池田健三郎さんは
最初から予算の中に入れていくことが標準化されていく世界であること。
万博は最先端の技術を紹介する場であり、それをすぐに実装できなかったら、
それはただ、ショーケースに入れた飾りになってしまう。
即実用するためのバリアがあるなら、最短でなくしていく必要があること。
そんな指摘をいれながら、まとめてくれました。
報道番組なので良いところだけでなく、
正直な感想も含めて、課題に気付いてもらい
それを番組を通して共有できたのが本当に良かったです。
最後に、キャスターの田中さんの言葉に深くうなづきました。
「万博だから、デフリンピックだから、というだけでなく
持続可能なシステムになっていってほしい」
そう、一過性の盛り上がりにすることなく、
その後どんな社会になっていたいか、
単なるレガシーではなく、社会のインフラにしていく必要があるのです。
それをしっかり考えてのデフリンピックにしなくては。
田中陽南キャスターは手話も上手で丁寧な取材、ご一緒出来て良かったです。
良い放送をありがとうございました。

余談ですが、HEROと私が打楽器を交互に打つシーンがあります。
何度やってもタイミングが合わずドリフ状態。
この2人が餅つきをしようと思ったら命がけw

2025-04-19大阪・関西万博初日、UDおよびアクセシビリティレポート<前編>
2025-04-20大阪・関西万博初日、UDおよびアクセシビリティレポート<後編>
https://karinmatsumori.hatenablog.com/.../2025/04/20/133645

クラゲ館プロデューサー中島さんと



手話も字幕もあるACジャパンのCM「フェイクは、ホンモノみたいな顔をする」

ACジャパン2025年度広告作品が決定し、7月1日より放送開始。
なんと顔も声もフェイクの北野武さんと、砂田アトムさんの共演です!
ACジャパンでは広告を通して世の中にメッセージを届けるため、
毎年様々なキャンペーンを行っています。
「全国キャンペーンA」では現在問題になっている
「進化するデジタル社会をどの様に生きるか考えよう」がテーマ。
毎年この作品に手話も字幕もつけて放送しています。
2025年選ばれたのは
「フェイクは、ホンモノみたいな顔をする。」という作品。

2025年度全国キャンペーン:フェイクは、ホンモノみたいな顔をする。|ACジャパン

手話出演の砂田アトムさん、
今回の作品はこの人しかいない!という満場一致で即決。

撮影現場でも、聞こえるスタッフ監督、カメラマン、
音声さん、メイクさん、その他関係者の皆さん
「凄い!」と絶句しつつ爆笑の現場でした。
手話も字幕も含めた情報保障監修は、
佐多 直厚さん、江副 悟史さんと私の3人。
その他「全国キャンペーンB」は、
「もったいないの精神」をテーマとし、
昨年より英語字幕とCC字幕対応。
地域キャンペーンでは、東京以外の全国7地域で、
各々のテーマで作品を制作し、こちらは今年よりCC字幕対応開始です。
「CMにも字幕を」と取り組みを始めて30年近く、
ACジャパンでは「手話も字幕も」が実現される稀有なCMです。
7月1日(火)より1年間、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等、
全国の各メディアで放送・掲載の予定です。
街中の大きなデジサイや地下鉄などでも見られるかもしれません。
https://kyodonewsprwire.jp/release/202506200935

最後はやはりこのポーズで!
#ACジャパン
#CMにも字幕を
#CMに手話も字幕も
#CMの情報保障
#砂田アトム
#江副悟史
#佐多直厚
#松森果林
#フェイクの北野武

笠間市立友部第二中学校での講演

友部第二中学校「総合的な学習の時間におけるキャリア学習」において講演。

生徒の皆さん、挨拶がハキハキとしていてとても気持ちよい学校でした。

校長先生と。

 

わたしは、高校生の時両耳とも失聴しましたが

希望していた進学先2校から、聞こえないことを理由に入学を拒否された経験があります。

自分のキャリアを描けない17歳の絶望から

聞こえないことを強みとすることができるようになったきっかけは何か。

セルフアドボカシー、エンパワメント

自分とは違った他者と出会うことによって、

視点を変えると価値観が変わる

視点を増やすと世界は広がる。

そこから、自分だからこそできることは何か?

将来の夢や職業、働くことの意義や、

自分の生き方について考えることができるような講演にしたいと思いました。

さて講演当日、電車の本数が少ないため

間違えないようにと慎重に下調べをしていたのに

2分差で到着した電車に乗り込んだらまさかの反対方面行き。

同じ番線から方向が違う電車が2分差で出るなんて。

気付いてすぐに下車したものの

次の電車は40分後。これに乗ると事前打ち合わせに間に合わない。

痛恨のミス。

担当者にすぐに連絡すると、講演開始時間には十分間に合うから

慌てずに来てくださいと優しい言葉。

どうにかこうにか友部駅に到着し、あとはタクシーで一直線。

運転手さんに目的地の中学校の名前をスマホに打ち込んで見せる。

時間も間に合うしと安堵の表情で

校門をくぐり、玄関へ向かいました。

そうして教頭先生に「午後から講演をする松森です。遅くなり申し訳ありません。」と

挨拶をすると、キョトン顔で「講演?」と聞き返されるのです。

総合学習のことや担当先生の名前を説明しながら

ふと教頭先生のネームタグを見ましたら。

なんと「小学校」と書いてある。

「しょ、小学校!?ここは小学校ですか?」と思わず変な声が出てしまった。

私の講演場所は中学校。

タクシー運転手さんに中学校名を伝えたのに

おろされたのはまさかの「小学校」。

ぶくぶくぶく(泡を吹きそうになるわたし)

すぐに中学校に電話していただき、再びタクシーを呼んで頂きました。

地方の中学校と小学校は結構な距離感。

講演開始時間ぴったりに到着し、そのまま講演開始。

最初の電車をまちがえたのは私のミスですが

これで終わらないのはなぜなのか。

中学校が小学校に、これは運転手さんのミス。

わざわざ文字を打ち込んで見せたのに。

こんなオチがあるなんて

最後まで油断できない。

 

すべて終えた友部駅にて友部駅社員オススメスポットとして「奇才 悪態まつり」の看板。

めちゃくちゃ気になります!