ラップのテンポにあったリズムとキレッキレぶりに
演出家さんたちも舌を巻いておりました。
時々NGを出す木村さんも楽しくて
これまた違ったギャップに緊張感ただよう現場が和むのです。

繰り返し見たくなるし、見れば見るほど面白さがジワジワ来ます!
「手話も字幕も」入れております。
「寛容ラップにろう通訳」、広めてくださいね。
父の意思、家族の選択。
迷って悩んで泣いて話し合って、
最終的には父と母の意思を尊重し、この選択をしたことは間違いないって思える。
「食べること調理すること」が生き甲斐の父が、
経口で飲食ができなくなり、1ヶ月を超す入院。
コロナ禍で面会は制限され、遠くから手を振るのみ。
今後積極的な治療ができず、終末期を迎えるにあたり、いくつかの選択肢が示されました。
父と母の希望は群馬県の実家に戻ること。
それに向けて看護師の親友に相談しながら「父、群馬移送計画」。
しかし病院側の動きが遅く(それなりの理由があるのは理解できるのですが)
それを待つ間に、遠距離移動のリスクが発生。
やむを得ず「新潟の舟宿に帰宅計画」に。
時間とともに、選択肢がひとつまたひとつと狭められていく日々。
まるで真綿で首を絞められているような、一日千秋の思いでした。
退院予定日も、水曜から金曜に、
さらに翌週へと延期につぐ延期の宣告。
見通しがつかない状態に父も母も心が折れる寸前だったのでしょう。
これ以上の延期は耐えられないと拒否。
看護師さんから、水曜木曜と母が病室に泊まり金曜退院でどうか?と提案がありました。
でも、
「金曜退院の場合、休日に何かあっても対応できない」とリスクの説明を受けました。
「それでも家族一緒に過ごしたい」という父と母。
家族や周囲の揺れる思い。
どんどん弱る父をみて「絶対に連れて帰る」と取り乱す母。
医師や関係者からは「家族でよく話し合って」といわれ。
このときに妹が母と一緒にいてくれたのが本当に助かりました。
都内での仕事を終えて最終の新幹線で新潟に戻りました。
目を真っ赤にして「私は間違ってる?」と問う母に
「間違ってないよ。私が同じ立場だったら同じ選択をする。お父さんとお母さんがそうしたいなら全力で応援するよ」と。
弟や妹たちとも父と母の意思を尊重することを確認し、
病院や関係者に伝えました。
幸せなことに、舟宿の常連さんが在宅医療クリニックの看護師さんだったので、担当してもらえることに。
彼女は父が大好きで、父も娘のように可愛がっていたので「まさか彼女にお世話になるとはなぁ」といいつつ「ご主人に合わせる顔がない。彼女は俺のこと好きだからなぁ笑」と冗談までいえるほど元気に。
父を迎えるためにソーシャルワーカーを通して介護ベッドや車イスの手配をし、
居酒屋舟宿は急遽最後の営業となり、お客さん達への挨拶や連絡に奔走。
二階の住居スペースに上がれないため、
一階居酒屋舟宿の小上がりに介護ベッドをおくことに。
手すりやカーテンを取り付けてくれたのは、やはり常連のお客さん。
私は、ベッドから降りてそのままトイレに行けるようにと、
母と妹とカウンター席の下の床を磨いてじゅうたんを敷き詰めました。
数字が苦手な私が寸法測り、ホームセンターで絨毯担ぎ、カッターがないためキッチンバサミでジョキジョキ。
よーし完璧!
とトイレに入ろうとしたら、
絨毯の厚みでドアが開かないというオチ。(後日ドア下を削りました)
病室に母が泊まり込み1ヶ月ぶりに2人で過ごした夜は
他愛ない話しや写真を見てとてもよい時間を過ごせたようで本当にうれしい。
昨年夏から入退院を繰り返し、
面会制限のあるなか、
何とか顔を見たい、会いたい!という思いで作戦ABCD……と懲りずに繰り返してきた私たち。
今回の退院作戦はVWXYあたりか。
晴れて金曜日、介護タクシーにのって居酒屋舟宿に戻った父。
厨房からカウンター席、その向こうの小上がりに父が介護ベッドにいるというシュールな光景。
居酒屋舟宿の引戸をガラガラっとあけると絨毯。
「サイコー!」と満面の笑顔の父。
よかった。本当によかった。
週末はきょうだい家族16人がぞろぞろと!もう毎日が居酒屋舟宿劇場🏮
熊川哲也Kバレエカンパニー「カルメン」、
非言語の物語に没頭する3時間。
身体の中心から上下左右に伸びる手足が美しい弧を描き、
滑らかに、情熱的に魅惑的に、
空中を軽々と舞う動きから目が離せない。
衣装や奥行きのある舞台装置の美しさ、
豊かな表情と大きな仕草で
まるで台詞が聞こえてくるかのような飽きない非言語空間。
バレエは台詞がなく
踊り・音楽・衣装・美術・照明、
舞台装置全てを含めた言葉のない総合芸術だからこそ、
聴覚障害者でも楽しみやすい!と
バレエの概念が覆されました。
自由奔放で情熱の赴くままに生きる魔性の女カルメンと
翻弄され愛の狂気へと落ちてゆく男ドン・ホセの
リアルな愛憎劇が
言葉を持たないバレエとなって
身体の動きが台詞となり、歌となって感情と物語の展開を伝えるのです。
激しい動きですらも音楽的で美しい。
カルメンと愛を交わす歓喜の表情から一変して
冷ややかなほど冷徹な眼差しになるカルメン。
ホセの嫉妬心や悲しみが、怒りへと変わる瞬間の豹変。
そして、空気を揺るがすほどのピストルの音。
聞こえない私にとって一番印象的な場面でした。
オペラグラスを片手に、しばらく息がつけなかったほど…。
時に観客から拍手がわき起こり、笑いがもれたり
目の前で繰り広げられる非言語の舞台と、観客との対話もあり。
前から4列目の席は
舞台下の生のオーケストラも見ることができ
指揮者の井田勝大さんの動きもよく見えます。
闘牛場での雄々しい曲を奏でる振り上げるような指揮の動き
官能的な場面の蠱惑的で柔らかな指揮の動き
静寂の空気をおさえるようなひそやかな指揮の動き
井田さんの身体全部での指揮の動きと、
舞台上の動きが一体化するそれは究極の「音楽の視覚化」。
非言語だからこそ、言語以上に伝わってくる「物語の視覚化」。
終演後にロビーで指揮者の井田勝大さんにお引き合わせいただき
感想も伝えることができました。
熊川哲也Kバレエカンパニー「カルメン」
東京Bunkamuraオーチャードホールにて6月5日まで開催。
ぜひ行ってみてください。オペラグラス必携です!
https://www.tbs.co.jp/kumakawa/performance/202206.html
https://www.k-ballet.co.jp/contents/2022carmen
対話から生まれる奇跡の「第九」。
手話の動きを可視化した写真展、
コロン・エリカさんによる説明を合わせてきくと、鳥肌がたつ感激、歓喜。
田頭真理子さんに撮影してもらえるフォトセッションにも参加。
4秒間の手の動きが写真になる。
大好きな仲間と一緒にこれてよかったよ!と歓喜を込めて。
ダイアログ・イン・ザ・ダークでは「歓喜」をテーマにしたコンテンツを開催、
さまざまな視点での体験型写真展、明日29日までです。
https://daikunokiseki.dialogue.or.jp/