いまだにパラレルワールド

息子の部屋の大掃除をした。
なかなか捨てられないでいたおもちゃを、思い切って沢山処分した。
かつて夢中になっていたヒーローもののでっかいフィギュアや変身ベルト、ちょっと前までは
「捨てちゃダメ!」と言っていたのに、今日はちょっと眺めつ、考え込みつつ、燃えないゴミ袋に放り込んでいた。


「それホントに捨てていいの?」思わず聞いてしまう。


そのおもちゃで無邪気に遊んでいた様子を思い出してしまったのだ。
成長したなぁ・・・と、
なんだか親のほうが未練たらたら。
おもちゃが詰まったもえないゴミ袋の山をみて、これ高かったのになぁ〜・・・
などと、こんな意味でも未練たらたら。


大掃除も終盤に差し掛かった頃、ふと目に付いた缶ペンケース。
開けてびっくり。なんだこりゃあ!
蛍光カラーで粘着性のありそうなゴム仕様の、もしゃもしゃのヨーヨー?を細かく刻んだものが入ってきた。
とっても不気味だ。
ブニュブニュとした感触のゴムを切ったりちぎったりしてみたい気持ちは私もよーくわかるが。


小学校一年生の頃、息子の学校の引き出しはパラレルワールドだとエッセイに書いたことがあった。
通学途中で拾った石ころとか、靴下が片方だけとか、でっかい木の枝が一本入っていて教科書を入れるスペースがなかったりとか。
小学校三年生になって、ちょっとは成長したかなと思いきや、はやり健在だったのだ。
彼のパラレルワールドは。
きっとまだまだ私が知らない世界がどこかにあるのだろう。