企業展示に手話通訳を

karinmatasumori2012-10-14

10月12日〜10月14日、本日まで福岡にて「第四回国際ユニヴァーサルデザイン会議2012 in 福岡」が開かれております。
ユニバーサルデザインに関する講演、論文発表、ポスターセッションなど国内外の方々のお話が聞けるのが魅力。
私も、IAUD(国際ユニヴァーサルデザイン協議会)メンバーとして
「CMにも字幕を!」という活動のPR展示のため、12〜13日と参加してきました。


印象的だったのは企業展示。
国内を代表する大手企業が、ユニバーサルデザインをテーマにした展示をしております。
その中でも、日立は毎回必ずろう者自身による「手話案内サービス」があります。
ろうの社員たちが、自社の製品について手話で案内をしてくれるというもの。
日立のすごいところは、もう何年も継続してこのサービスを行っていること。
「継続すること」ってとても大切です。
継続することが、企業風土として定着し、熟成し、当たり前に受けいれられていくようになるからです。
まさに聴覚障害のある当事者社員の努力のたまもの。
展示会だけでなく、「科学技術館」でも手話案内サービスを始めたとの情報もいただきました!
是非行ってみてくださいね。
http://www.jsf.or.jp/image/info/20120521teamswan.pdf


そして、富士ゼロックス
ここでも、難聴の社員が手話で説明をしてくださっていました!!
専門的なことなど、理解しにくいことを分かりやすく説明してもらえるのは本当に貴重な機会!


テレビ電話によるリレーサービスで有名な、プラスヴォイスさんも出展しておりました!
社長自らが手話で説明する展示なんて、めったにないことでしょう。
http://www.plusvoice.co.jp/index.php


新鮮だったのは、花王株式会社が初めて手話案内サービスを取り入れたことです。
(写真の左に「手話案内サービス」のパネルがあります)
花王と言えば、「字幕付きCMのトライアル放送」第三回目が現在放送中です。
今回の展示では、花王ユニバーサルデザインに初めて「字幕付きCM」の取り組みが紹介されました。
聴覚障害者にとっても興味のある話題ですから、手話通訳があると自然ですよね。
おかげで、字幕付きCMの取り組みについてだけでなく、普段毎日使っている洗剤、柔軟剤、詰め替え容器からクイックルワイパーまで、ほんのちょっとした工夫でびっくりするくらい便利になっている秘密など、たくさん知ることができました。
http://www.kao.com/group/ja/group_imgs/group/sustainability2012_jp_all.pdf


しかも、この国際UD会議では「IAUDアウォード」といって国内外からのユニバーサルデザインへの取り組みを表彰するものがあります。
その中で、「ソーシャルインクルージョンを目指した花王の取り組み」が
事業戦略部門の金賞を受賞されたとか!
もちろん、「テレビCMの字幕」もその中に入っております。

そのほか、森直之先生の「ゲーム機等を応用した情報保障スタイルの推進」が
コミュニケーションデザイン部門 金賞でした!
これはPSPを使って要約筆記をするシステムなどです。


なんだか今年は「字幕率」高し!



普段、展示会やイベントなどでは聴覚障害者が行っても、興味のあるものを見て触って、パンフレットをもらって何となく理解した気分になって帰ってくるものですが、手話での説明があると情報量と情報の質、興味や関心、その会社に対するイメージまでもが格段に高くなっていくものなのですね。
普段聞けないような質問や疑問も、きちんと聞くことができるという、当たり前のことがこんなに楽しいなんて!
やっぱり「情報が分かる」ってすごい。
色んな企業の展示があった中で、手話で説明をしていただいた日立、富士ゼロックス、プラスヴォイス、花王が一番印象に残りました。
ほんのちょっとした工夫や、配慮が、大きな喜びや楽しさをもたらすということ。
そんなことを改めて感じた展示会場。
本日16時まで展示しているそうなので、お近くの方はぜひとも足を運んでください。


こんな良い情報はもっと早くにお知らせすべきでした!
展示は福岡国際センターにて、本日は16時まで!
http://www.ud2012.net/outline/announce-poster.html