ダブルでハイテンション

3月の講演ラッシュがやっと終わった。
花粉症宣告受けたその後のこと。


病院に行って薬を処方してもらったのが、昼間だったから晩御飯を食べ終えるまで薬が飲めない。
ティッシュを手離せず、鼻水と格闘しているその晩は、


「こんな状態じゃ晩御飯も作れない!」


と、外食を考えたものの、それこそこんな状態じゃ外にも行けない。
仕方なくいつもより簡単に、一時間も早く食事の用意をした。
くしゃみの勢いで持っていたトマトが転がり落ちたり、くしゃみのたびに包丁を置いたりとまさに戦場。


そんなこんなで、やっと薬が飲める時の嬉しさと言ったら!
待ちわびたクスリタイムだ。


その効果たるや、テキメン。
地獄からの生還!
さっきまでの廃人同様だった私がものの数分でよみがえった。
何だか妙にテンションも高くなり、気分もウキウキと、スキップすらしでかしそうだ。
三日ほど薬を服用した。
もー、花粉症宣告されたのがウソのようにすっきりハツラツ。元気ハツラツ!
「井戸端手話の会」に参加した時も、最初っから最後まで笑いっぱなしで、トークも手話もなんだか絶好調。
いつもよりハイになっている私を見て、メンバー一同
「なんかいつもと違うよ!!」と。



それもそのはず。
間違えて、クスリを二倍の量で飲んでいたのだ。
ぼーっとしていた花粉症状態からクリアになった頭で、よくよく処方箋を見てみた。


「一日二回。一回一錠」


ぁ!!!


朝晩と一日二回。
一錠ずつなのを、二錠ずつ飲んでいたってこと?
四日目にしてやっと気づいた。
気づいて良かった四日目で。
そりゃあ、ダブルで飲めば効果も倍増というかハイテンションにもなるのだろう。
初めて飲むクスリだけに。
こんな初歩的な読み間違えをしてしまうなんて、花粉症が脳を侵したとしか思えない。
あなどるなかれ花粉症。