障害者政策委員会のワーキングセッション?

内閣府の障害者政策委員会のワーキングセッションが始まりました。
昨日は、午前中
ワーキング・セッション?:情報アクセシビリティ(第1回目)
午後から
ワーキング・セッション?:精神障害者・医療ケアを必要とする重度障害者等の地域移行の支援など(第1回目)
と続けて参加してきました。
さすがに午前、午後と、手話通訳と字幕を見続けるとぐったりです。


障害者政策委員会では、第3次障害者基本計画の実施状況を監視するという役割があります。
情報アクセシビリティについては、特に議論を深めるべきテーマとして
ワーキング・セッションを設けました。


コーディネーターは委員の中から三名、
盲の竹下さん、ろうの石野さん。盲ろうの門川さんは欠席でした。
コーディネーター以外の委員は自由参加で、今回は8名が出席。
参考人は三名、近藤武夫氏(東京大学)、新谷友良氏(全日本難聴者・中途失聴者団体連合会)、寺島彰氏(浦和大学)。


前半は、厚生労働省総務省内閣府防災からの報告と、
参考人からは、現状アクセシビリティがどのように確保されているか、課題はなにか?などを話していただきました。
休憩をはさんだ後半は、質疑応答や確認と議論です。
私からの質問は、この日の話題に関連することを三つ。


1、テレビの手話放送について増えていない理由は?
ご存知の通り、テレビ番組への字幕はNHK、民放ともに90%を超えています。
その一方で、手話放送はどうかというと
NHK総合で0.2%、NHK教育で2.5%、民放で0.1%。
前年度と比べると+-0ポイントで、増えていないのです。
総務省平成25年度の「字幕放送等の実績」より)


2、政見放送について
第三次障害者基本計画の実施状況6−(4)−3には
平成25年度7月21日の参議院議員通常選挙比例代表選挙)の政見放送において、
手話及び字幕の付与を実施したとあります。
しかし、これだけでは不十分であり、たとえば都道府県知事や小選挙区政見放送
手話および字幕放送は実施されていないのはなぜか?


3、国会中継について
NHKで放送されている国会中継には、1953年からテレビ放送されています。
(「国会審議中継」衆議院の審議中継は1998年から)
しかしここには、字幕も手話もつかず、聴覚障害者はその内容を知ることができません。
国民の生活に関わることが、品行方正に議論されているのだと思うのですがw
それすら分からないのです。

聴覚障害者団体なども、字幕や手話を入れるべきと長年提案していますが進んでいません。
「政治参加」の権利ということを考えると、優先して取り組むべき課題ではないでしょうか。
生中継なので、ニュース番組と同様に、
間違いや誤変換はあることを断ったうえで、手話や字幕付きで
リアルタイムで情報を等しく得られるようにすることが、私たちの政治参加の基本です。
むしろ、国会で字幕も手話もついていないことの社会影響って、大きいと思いませんか?


いずれも回答は、
・課題として認識してはいる
政見放送は収録期間の短く、字幕入力や手話通訳士の確保が困難である
・国会は字幕の間違いにピリピリしているが、今後もお願いしていく
・今後も引き続き検討していく
というものでした。


そのほか、サイバー犯罪、災害時の緊急放送、電子出版や音声解説放送の取組みなどの質問がありましたが
細かな議事録は後ほど紹介されるので、ここでは省きます。
次回の情報アクセシビリティのワーキングセッション?は6月1日10:30〜12:30です。
同じ日の午後にある、ワーキング・セッションIIとともに、傍聴受付開始しています。
また、第21回障害者政策委員会の傍聴受付もあります。
5月29日(金) 13:30〜17:30
(1)ロン・マッカラム氏の講演
(2)第3次障害者基本計画の実施状況の監視その他
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/seisaku_iinkai/index.html