親孝行ってどんだけやっても足りないよね


私の講演や本の中では、必ずと言ってよいほど登場しているクラシマ父。(←旧姓)
聴覚を失い絶望のさなかにいるとき
「お前の涙を見ているといっそのこと
お父さんたちも聞こえなくなればいいとおもう。
できることならば変わってあげたい。
でも、もしお父さんが同じ立場だったら絶対に乗り越えるぞ!!」と
私を救いだす言葉を書いて見せたのは有名な(笑)エピソード。
私以上にファンが多いのもうなずけます。


そんなクラシマ父が心筋梗塞で倒れて一週間。
ひとまず手術は無事に終えたものの、何が起こってもおかしくない歳です。
きょうだいで連絡を取り合い、交代で新潟に行き来。


週末は一時間ほど父と二人で過ごしました。
「親孝行ってどんだけやっても足りないよね。」
弱ってる父を前にして弱音を吐く私。
「おまえたち子ども四人が生まれてくれたことが十分な親孝行なんだよ。」と。
ガンコで不器用なのに、こんなことはさらっと言うクラシマ父。
カッコよすぎ。


そんな父も、倒れて手術を済ませた夜、
母が帰るときにはさすがに弱気になり握手を求めたとか。
手を握りつつも
「つぎやったら死ぬからおとなしくしてろ!」と脅す母ケーコ。
さすがです!笑


しばらく新潟駅南「居酒屋舟宿」は母一人で対応しており
至らぬこともあると思いますが
お近くの方、顔を見せてあげて下さいませ。笑
そして私以上に隠れファンが多いとウワサされているクラシマ父には
何としてでも復活してもらわねば。


帰りの新幹線で、
故郷の月夜野町を通り過ぎるとき、夜空にぽっかり浮かぶ月の美しかったこと。
父との会話は、何度か繰り返し話してもらってやっと半分分かる程度。
筆談をする力もないような、こんなときだけでいいから
「一言ももれなく聞きとりたい」
そんな切ない思いがふっと湧き上がるのです。