まるごと魅せます!第2回聴覚障害当事者研究シンポジウム2019報告書完成

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「音を失う身体と、置き去りにされる心と。~日記でつなぎとめる当事者研究~」
年間100近くの講演をする中で、初めてのタイトル。
これは、私自身が少しずつ音を失うという身体の変化と
それについていくことができない心の状態とを
どのようにつなぎとめたのかをまとめたものです。

 

12歳~18歳ごろまでの日記などを読み返し
両親に二日間かけて当時の様子をインタビューし、自己対話を繰り返し
記録と記憶の欠片をひとつひとつすくって言葉にしました。
ちょうど昨年のダイアログ・イン・サイレンスのころです。

 

そうして2019年9月29日(日)に宮城教育大学で開催した
「第2回聴覚障害当事者研究シンポジウム2019」で発表。
発表者全員の講演録が掲載された報告書が完成しています。
第1回シンポジウムと同様に無料でダウンロードできます。
話題提供は1人20分なので、読みやすいボリュームです。

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今回は、熊谷晋一郎先生(東京大学先端科学技術研究センター准教授)が
ご自身の講演の中で、話題提供した5名の話に触れ
深く掘り下げてくださったことが印象的でした。

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「変化する身体をどう生きていくか」

「順調に物語を書き進めているとき人はペンを持たない。
物語が破綻したときにこそ、ノートブックを広げ、ペンを持つ」

「なぜだなぜだなぜだ…というふうに自分との対話を止めない。
これを諦めなかったことに、感銘を受け、その胆力に当事者研究を見ました。」

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熊谷先生のコメントの端々から、「人が人として生きる」という
とてもシンプルなことを、深く、深く考えてしまうのです。

 

目次は下記のとおり
話題提供①
「そうだったのかAPD~受信でも発信でも見えにくい苦労~」
真壁詩織(宮城教育大学聴覚・言語障害教育コース4年)

 

話題提供②
「泣き声だけじゃモノ足りない!~新米難聴ママの七転び八起きの当事者研究~」
志磨村早紀(早稲田大学障がい学生支援室常勤嘱託職員)

 

話題提供③
「音を失う身体と、置き去りにされる心と。~日記でつなぎとめる当事者研究~」
松森果林(聞こえる世界と聞こえない世界をつなぐユニバーサルデザインアドバイザー)

 

話題提供④
「ろう学校生徒による当事者研究の可能性~語りと対話で紡ぎ出す自立活動の実践~」
西垣正展(滋賀県立聾話学校教諭)

 

話題提供⑤
「親子関係の物語を紡ぎ直す当事者研究
松﨑丈(宮城教育大学特別支援教育講座准教授)

 

基調講演
聴覚障害当事者研究の実践から見えてくるもの」
熊谷晋一郎(東京大学先端科学技術研究センター准教授)

 

参加者の声

 

ぜひ、2018年に開催された
第1回聴覚障害当事者研究シンポジウム報告書とあわせて読んでみてください。
立場も困り事も多種多様で、だからこそあらゆる視点からの対話の可能性が開けます。