火事!そのとき聞こえない人は。

karinmatasumori2008-02-20

火事が起こった。
このとき、聞こえない人にとってのバリアはなんだろうか?
電話で消防車を呼べない?!
それもあるが、最近はメールで連絡できるようになってきた。
そんなことよりも、何よりも、まず
火事だ!ということに気づけないのだ。
そう、そもそも火災報知器の音が聞こえないことがバリアとなっている。あまねく人に報知できない機械なんて、欠陥商品みたい。
実際、これまでに火災がおこったときに、報知器の音が聞こえずに逃げ遅れ、怪我をしたり亡くなってしまう聴覚障害者は多くいた。
火事だけではなく、地震などの災害時でも同じことが言えるだろう。

アメリカなど、海外に行くと光が点滅するタイプの機械を良く見かける。レストランやホテルなどの公共の施設では、トイレの天井に一定間隔に設置されているから個室にいても非常事態に気づける。

日本という安全な地にいて、火事だということに気づけず、逃げることができないなんてこれは大きな落とし穴だと思わないか。

昨今では、火災報知器を設置することが義務付けられているが、現存する報知器は基本的には音で知らせるものが中心。ランプを伴うものもあるが、固定された場所にあるため見えなければ意味がない。
けれども、少しずつ、聞こえない人でも気づけるような火災報知器の設置を見かけることも多くなった。
写真は、盛岡に講演に行ったときに見つけたもの。
通常の火災報知器とは別に、天井に赤いフラッシュランプが設置されている。ランプの下には「緊急の場合点灯します」と書かれている。
音とは別に、光の点滅でも知らせてくれる。
新しい施設で、会議室の一つ一つの天井に設置されているのはもちろん、ろうかの天井、トイレの天井にも沢山ついていた。

こういうのがあたりまえになっていくだけで、ひとつでもふたつでも多くの命が救えるのだ。