部屋一面消臭〜♪ CM字幕

このところ、ふと気がつくと頭の中でぐるぐる回っているフレーズがある。

「部屋一面消臭〜♪ 部屋一面消臭〜♪」

これは何かというと、エステー化学の消臭剤CMのフレーズ。
映像とともに、「部屋一面消臭〜♪」というテロップが繰り返し出てくるのだ。

「部屋一面消臭」
だったら、こんなに頭に残ることはなかっただろう。
けれども、最後に
「部屋一面消臭〜♪」
と、伸ばす音と♪マークがついているために、無意識に頭の中で韻を踏んで勝手にメロディー化してしまったのだ。
おそるべし。

話は変わるが、聞こえない人はテレビに字幕を出して楽しんでいる。
新聞のテレビ欄を見てほしい。
「字」というマークがついている番組が結構あるだろう。これらが字幕を出して楽しめる番組。
字幕を出すためには、専用の機械(字幕デコーダー)を使うが、デジタル放送ではリモコンの「字幕」ボタンを押すだけで簡単に見ることができる。
デジタル放送の普及で、普通の人でも字幕を出して見ることができるようになっているのだ。
字幕対応番組も、とても増えた。
事前に収録した番組であれば、ほとんどの番組についているといっても良い。
現在、字幕付与の対象外となっているのは、ニュースやスポーツなどの生中継、音楽番組、幼児向けの番組など。
生中継の場合は、タイムリーに字幕を表示する(生字幕という)必要があるので、字幕が出るまでに時間がかかったり変換ミスなどがまれにある。けれども技術的には可能だし、生字幕でニュースを放送している局も増えている。
これが現在の、テレビ放送における字幕状況だ。

けれども、一日のテレビ放送時間の約20%を占めているコマーシャルには字幕がつかない。
理由は様々で、後ほど詳しく述べたいと思っている。

「キムタクが出ているCMの内容が知りたい!」

こんなに単純で、あたりまえの願望。

「補聴器のCMなのに、なんで内容が分からないの?」

こんなに単純で、不思議な矛盾。

「CM字幕」は私の十年来の野望でもあった。
だってCMって、たった15秒という中で人生を変えるようなドラマがあったり、ヒットソングのきっかけとなったり、その情報量は想像をはるかに凌駕するんだもの。
十年前に提案したときには、興味は持ってもらえたものの、CMよりもまずテレビの番組本編への字幕という課題が最優先されていた。これらの課題が改善されてきて、
現在少しずつ、「CM字幕」が注目され始め、動き出している。

文字が目に飛び込んでくる効果は大きい。
文字も映像のひとつとして、知らず知らずのうちに私の頭に残像を残しじわじわと侵していくのだ。

今日も朝一番で、テレビから飛び込んできた「部屋一面消臭〜♪」
頭の中だけでなく、気がつくと口ずさんでいる自分がいる。
どうにもとまらない。
みなさんもメロディつけながら口ずさんでみてください。

部屋一面消臭〜♪