憧れの東京大学での講義。
暑いし、白いパンツで爽やかに!と準備を終えた朝。
出掛けに玄関の姿見で全身を映したら、なんだか股のあたりに違和感。
思わず触ってみると、ずぼっと指が入ってしまった。
あろうことか、穴が開いていたのだ。
ファスナーの下から股にかけて3センチほど裂けている。
生まれて初めての出来事に、呆然と鏡の前で凝視するワタシ。
やばい!電車遅れる!
慌てて他のものに履き替えて、とりあえず家を出た。
電車の中で考えた。
あんな穴、一体どうやってあいたのだろうか?
しかも場所が場所だ!
大股開いて闊歩した?
最後にあのパンツを履いたのっていつだっけ???
!!!!
某メーカーからインタビューを受けたときだ!
低めのソファに座って話す私を、正面から下からカメラマンが撮影をしていたのを思い出す。
あの時はすでに裂けていたのだろうか??
激写していたカメラマンに確認をすべきかどうか悩んだ。
だって、
なんて?!
「裂けているかどうか確認してください」と?
パソコンの画面いっぱいに拡大して確認をするカメラマンが気の毒だ。
しかし、もし裂けてなかったとしたら余計な恥さらし・・・。
それにしても家を出る前に気付いて良かった。
もし姿見で確認をせずに出ていたら・・・と思うと冷や汗もんだ。
何しろ天下の東京大学。
股裂けパンツで講義なんかしたら、それこそワイセツ罪。まるでヘンタイだ。
某メーカーでのインタビュー記事が出来上がってきたとき、変なものが映ってないことをひたすら祈るしかない。
真夏のホラーよりずっと怖い朝の椿事。