要約筆記と手話通訳どちらを見る?

karinmatasumori2011-11-01

先日の国際映画祭でのシンポジウムでは、情報保障として手話通訳とパソコンによる要約筆記を用意していただきました。
こうしたイベントや講演では、事前打ち合わせでできるだけ両方準備していただくよう伝えます。
そんなときに必ず聞かれる質問がこれ。


「松森さんは手話通訳と、要約筆記どちらをご覧になりますか?」


ハイ、両方見ます!!


情報が伝わるスピードは手話のほうが早いのです。
だから、ディスカッションに自分が参加するときは、発言の内容をタイムリーにつかむため、手話通訳を中心に見ますが
突如

メセナ
南極物語
「ヘッドマウントディスプレイ」

などと、聞き慣れない言葉が出てきたときや、聞き逃してしまったとき(手話だから、見逃す?か)、はたまた発言者の言わんとすることがうまくわからなかったりするとき、要約筆記はとても助かるのです。
音声で聞いても理解できない言葉が、漢字表記になって表出されると、一目で確認できたりするように。


それに、手話通訳をずっと見続けるって、想像以上の集中力を要します。
猛スピードで動く手話を目で追い、内容を理解し、情報処理し、さらに自分の発言を考えたりまとめたり。
だからメモができないんですね。
それでも、メモせずにいられない私は、自分だけにしか読めない字でメモをするのですが、時々自分でも判読不可能だったりします。


手話通訳を見ることに疲れたときは、要約筆記の画面に目を移して休憩することも。
要約筆記の画面は、一目見ただけで数行表示されているので、情報を全体的に把握することができます。



それぞれの良さがあり、自分の状況などに合わせて選択できるのがベストなのです。
今回は、客席用の要約筆記の画面に加えて、登壇している私用にと小さなパソコンと、PSPが用意されていました。
写真でわかると思うのですが、どちらも机に置いても邪魔にならず、文字はとても見やすいのです。
PSPのように持ち歩けるサイズになれば、いろんなところで使えて便利!
学校の朝礼や授業、冠婚葬祭の場、会議、イベント、使用シーンは限りなく広がってきますね!
もちろん、手話通訳だって、客席用の手話通訳と、私専用(私の向かいに座ってもらう)の通訳と、両方ありました。


そう、客席にも、登壇者にも、それぞれ聴覚障害者がいるというのは、それぞれに対する情報保障が必要なのです。