それにしてもよく跳ねる!
元気なドジョウが我が家にやってきた。
毎年恒例のマンション夏祭り。
511世帯で盛り上がるのだが、今年はじめての「ドジョウの手づかみ」
が息子の心をわしづかみにした。
10センチ程度のドジョウ、沼あたりに生息しているのでたかがドジョウと思うかもしれない。
けれどもその跳躍力と俊敏さは想像を超える。
現場では、捕獲しようという子どもたちの集中力と
ビチビチとはねるドジョウとの凄まじいバトルがあったとか。
それでも10匹ほど獲得したした息子は満足げだ。
夏の疲れも出る今の時期に、ドジョウ料理はぴったり。
何しろ昔から「ウナギ一匹、ドジョウ一匹」と言われている。
ドジョウ一匹の栄養価はウナギ一匹に匹敵するというのだからすごい。
鉄分はホウレンソウよりも多いし、ビタミンB2も魚のなかではトップ。
食べる以外にどんな方法があっただろうか。
「ドジョウの踊り食いできる?」
マジメな顔で息子に問われたが、さすがにそれはちょっと遠慮したい。
まずは三日ほど水を取り替えて泥抜き。
ボールに入れておいておくだけでも跳ねて飛び出るので、ザルで蓋をしなければならない。
かなりの暴れん坊だ。
ドジョウの数を確認し、いなくなっていないか数時間おきにドジョウの点呼。
三日間元気に過ごしてくれたドジョウ様。
食べる直前によーく洗って、酒に浸す。
ビチビチと暴れん坊のドジョウも、これで酔っぱらっておとなしくなる。
ちょっとかわいそうだけど、酒は新潟の銘酒、久保田だから許してほしい。
こうして柳川にして食べたドジョウ。
食感も良くて、今日は朝からなんだかパワーがみなぎっている感じがする。
ありがたやドジョウ様。
ドジョウで思い出した。
私がまだ高校生くらいの頃、父がドジョウをたっぷり仕入れてきた。
「今夜はドジョウ鍋」だという。
食卓の真ん中に出されたカセットコンロに鍋をくべ
兄弟四人見守る中、煮立ったところで父がドジョウ投入。
その途端、得も言われぬ勢いで一斉にドジョウたちが飛び跳ね、リビングのあちこちにドジョウが逃走。逃跳?
一家全員でドジョウすくいの夕餉。
数日後、部屋の隅から干からびたドジョウが出てきたことがあった。
お決まりのオチだが、我が家では今のところ発見されておらずオチがつくれない…