小学校での講演

最近なんだか地元で講演の機会が増えてきました。

息子が小学校に通っているときにも、学校に何度も提案したけれどなかなか実現しなかったこと。
今春卒業したら、
夏休みを有意義に過ごす講座がひらかれ
http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20120726

そして、後期から始まる小学五年生の総合学習の時間。
テーマは「共に生きる」
「共に生きる」というと車いすの人、目の見えない人、子どもからお年寄りまで幅が広くなってしまいますが
子どもたちは、様々な学校行事や卒業式を通して手話通訳の存在を当たり前に見てきました。
だから今回は、身近な?聞こえない人について調べてみようということに。
この授業なんと、全部で16時間もあるとか。
最初は聴覚障害のあるスポーツ選手や漫画家のビデオを見たり、耳栓で難聴体験をしたりと、少しずつ聞こえない世界に近づいていきます。
そして先日は講演。

身体も心も成長過程にある五年生。
ウソやごまかしのきかない年齢。
自分が聞こえなくなっていったときのこと、その時の気持ちの過程をそのまま、丁寧に話そうとこころがけました。
こちらが正面から向かっていけば、正面から受け止めてくれるのが、この年代。
日常生活やコミュニケーション、タイムリーな京葉線事故で困った話から、手話と育児まで幅広く紹介をしながら
こんなとき、あなただったらどうする?と常に問いかけながら進めてみました。
最後には、普段の講演では「共に生きるために大切なことは何か?」その答えを出してまとめることが多いのですが、今回はあえて省きました。
それぞれ自分自身で考えてもらいたいと思ったからです。


真剣に聞いてくれているのがとても印象的な一時間。
問いかけるとすぐに「ハイ!」と答えてくれる反応の良さにびっくり。
今後子どもたちは、各班でテーマを決めて、調査をし、最終的に発表をするそうです。
どんな発表になるのか、今からとても楽しみ。
また、これをきっかけに彼らの今後の生き方に一つでも心に留まるものがあればいいなと思います。


今回に限らず、私にとって講演というのは自分の過去と向き合い、それを言葉にして伝えていくことでもあります。
何百回とやっても、過去の自分と向き合うのはしんどかったりもします。
言葉が重くなることもあります。
そういうのも含めて、周囲に伝えていくことが私の仕事です。

今回、講演後の質疑応答では、最後に
「もしこれから聞こえるようになったとしたらどんな音を聞きたいですか?」と。
まさに直球!
こんな質問は、大人の講演からは絶対に出てきません。
「こんなこと言ったら失礼かな?」などと考えてしまうからです。
でも、当事者としては逆にこんな質問のほうが嬉しかったりするものです。
楽しんで答えさせていただきました!


明日は、下記再放送があります。
良かったら見てくださいネ。
NHK Eテレビ(教育テレビ)「ろうを生きる難聴を生きる」
12月7日(金)午前11時45分〜正午
宮城教育大学の松崎丈准教授をお迎えし、周囲に自分のことを伝えていく力「エンパワメント」についてインタビューしています。
学校の先生になりたいという難聴の大学生の真剣な努力も、見どころです!