「Start Line」のトークショー満員御礼

「麻酔なしで自分自身を手術するようなイタさ」

今村彩子監督の映画「Start Line」のトークショー
編集するときの辛さをこんな言葉で表現してくれました。
彩子さんは出演者でありながら監督でもあります。
だから57日間の旅が終わっても、
約350時間の映像を2時間に編集する作業が残っています。
カッコ悪い自分や情けない自分とひたすら向き合う作業の大変さが冒頭の一言に凝縮されていると思いました。


トークショーでは、台本は作らず彩子さんとその場の雰囲気で話すほうが楽しいだろうなと思い、ほぼぶっつけ本番。
そのために4回も映画を観ました。
というか観たくなっちゃう魅力があるのが不思議。

トークショーの中でも話しましたが、
この映画の素晴らしいところは
聴覚障害を理解して」と訴える内容ではないところです。


「聞こえるからコミュニケーションができる」というわけではなく
だれだってコミュニケーションに悩むんだと思います。
聞こえる聞こえない関わらず、
自分のコミュニケーションを見直したり
コミュニケーションの本質を考えるきっかけとなりそう。


トークショーで、亡くなったお母様への思いも聞いてみました。
旅から帰って、お母様の写真と向き合い
「お母さんはこれからもずっといないんだ」と改めて思ったとか。
彩子さんが旅を通して向き合ってきたこと、
いま向き合っていること、
そしてこれから向き合っていくこと、
もっともっと聞きたかったなって思います。
サイン会では厚かましくも一緒にサインをさせていただいたり
「誰でも手話リンガル」の出版社、明治書院の三樹社長も応援に駆けつけてくださいました。
ほぼ満席で、来てくださった方々に感謝です。

映画館は「高倉健特集」で壁一面に高倉健さんの強面ポスターが貼られ、昭和の任侠空気むんむんでしたが
そんな危険さを吹き飛ばす彩子の爽やか空気、さすがです!