全20席と小さなシアターですが
字幕や音声ガイド、音響設備はもちろん
障害のある人へのサポートは完全装備
子連れのママにも優しい夢のような映画館なのです。
クラウドファンディングを通じての募金で設立されたというから
多くの支援者の想いの結晶です。
鑑賞したのは「カンタ!ティモール!」
東ティモールの悲しい歴史と、そこから紡がれる生命のことばの数々、そして歌、音楽。
特に音楽を表現する字幕の豊かなこと!
ここでの字幕は『バリアフリー字幕』です。
バリアフリー字幕って、通常の字幕よりずっと「字幕が生きている」んです。
一般的な字幕では、
音楽は「♪」だけで表され
環境音も「鳥のさえずり」「波の音」などとなります。
しかし、『バリアフリー字幕』になると
作品中の音楽やBGMの表現はこうなります。
(南国風の音楽)
(力強いリズムと男性の歌声)
(子どもたちの悲しげな合唱)
(♪)だけでは伝わり切らない音楽の雰囲気まで伝わります。
聞こえなくてもイメージしやすい情緒的な表現が秀逸なのです。
子どもたちが遊んでいるシーンは、見ているだけでも楽しいものですが
(子どもたちのはしゃぐ声)
という字幕がそこに入るだけで、笑い声までも聞こえてくるようです。
そこに存在する音や音声が、リアルに伝わる「生きた字幕」だと思いました。
擬音や擬態語が豊かな日本は、字幕制作においてとても苦労するものですが
細かなところまで工夫され、徹底的にこだわりぬいた字幕に、感心しました。
だれもが一緒に空間を楽しむための環境づくりから、作品選びまで
「細部まで徹底的にこだわる」プロの仕事を見た気がします。
受付では、
さりげなく手話で挨拶してくれるスタッフの対応も気持ち良いのです。
時々寄りたい映画館がまた増えました。
私にとって日常生活と非日常の映画館は直結しているのです(^^)
シネマ・チュプキ・タバタ、おすすめです!
http://chupki.jpn.org/