『LOVE LIFE』多様な視点と多様な視線。当事者キャスティングだからこそ。

『どんなに離れていても愛することができる』
という歌詞からはじまる矢野顕子さんの楽曲
「LOVE LIFE」をもとにしたこの作品。

先が読めず、ここにこれ?ちょ…!と
ドラマだらけでしたが
悲しみも喜びも、愛も人生も、
色んな形があり色んな選択があるという
多様な視点と、多様な視線の描写が印象的でした。

ベネチア映画祭
袴姿で堂々とレッドカーペットを歩いた
砂田アトムさんの描かれ方が秀逸。

家族をおいて失踪した元夫役で、路上生活者。
ごくごく普通の人(というかちょっとサイテーな感じがまたいい)
なのに、目と目を合わせて会話をするろう者の文化と
目を合わせずに話す聴者の文化の対比だったり
横並びに座っていても目を合わせて話せる、粋な場面など
深田監督と砂田アトムさんとの対話があったからこそ
生まれたのではというシーンが多くあります。

深田監督の「当事者キャスティング」があったからこそ
ろう者が自然と溶け込んでいる作品だと感じました。

【「LOVE LIFE」公式サイト】
https://lovelife-movie.com/

この映画は字幕付き上映がなくても
「UDCast」というアプリで
自分のスマホや字幕メガネでバリアフリー字幕を見ることができます。

バリアフリー字幕とは、
セリフだけでなく、話者名・効果音・音楽なども表現した字幕です。

【「LOVE LIFE」映画館で字幕付きで観る方法まとめ by UDCast】
https://palabra-i.co.jp/2022/09/lovelife/

今後、トロント国際映画祭や釜山国際映画祭への
出品も決まっているそうで
どんなふうに注目されていくのか、
どんな影響があるのか、楽しみです。