高嶋健夫さんの『しくじる会社の法則』

高嶋健夫さんの『しくじる会社の法則』(日本経済新聞出版社、2017年)
私が最も尊敬する人のひとりです。


一度ページをめくると、
綱引きの綱にしがみついたままずるずると引きずられていくように読んでしまいます。
35年の豊富な取材歴と、取材した社長は約1000人という豊富な事例と視点に基づいて
成長する企業やほどなく消えていく企業について書かれているのですが
ストレートで愚直、骨太な言葉の数々は
本質を突いたぶっとい綱となって、本を握る手を離さないのです。
だから読後感は清々しいのでしょう。


小見出しを見ただけでもワクワクします。


「非礼な名刺交換、千里を走る」
「困った社長”はメガネが汚い?」
「「顔の広さ」と「デカい面」は紙一重、しかし…」
「目線の高さ」は嘘をつかない」
「“障害者が輝く会社”で再認識した「基本動作」の重要性」


言葉のセンスやキーワードもさすが。
「起業家の身だしなみ」
「エレベーターホール」「社食」「バックヤード」


パワハラについての章では、パクリや横取り、丸投げ、頭越し、指示の錯綜・混乱、ハシゴ外し、切り捨て等々
リアルだけど「あるある」なエピソードが情景が見えるように紹介されている。
取引先のどこを見れば危険に気付けるか、取引先の何を知ればいいか
「見極める目を持つこと」の大切さは
個人事業主である私も勉強になるし、世間知らずにとっては必読。



常に相手をリスペクトし、ひとりひとりが力を発揮できる土壌づくりへの想いが伝わる一冊でもあり
新しい仕事が増えつつある今、このタイミングで読めたのは本当にラッキーでした。


ちなみに私自身はまず目を見ます。
聞こえない私たちは常に目と目を合わせて会話をするからです。
だから「眼鏡が汚い」ととても気になります。

「しくじる会社の法則」高嶋健夫著/日本経済新聞出版社
http://www.nikkeibook.com/book_detail/26334/