美しく可笑しく妖しく。現代の見世物小屋「月夜のからくりハウス」

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見世物小屋のドキドキ感が復活!》
こんなキャッチコピーに惹かれないわけない!
現代の見世物小屋、平成まぜこぜ一座による『月夜のからくりハウス』
ワイン片手にほろ酔い気分で始まった記録映画とパフォーマンス。

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昭和チックなモンキー高野さんと菊川れんさんの手話漫才に始まり
日本一小さな手品師、不思議な生き物宣言をする劇団員たち
女装詩人のベアリーヌさんやら、
全盲の落語家桂福点さん。
リオ・パラ閉会式にも出演した車いすダンサーのかんばらけんたさんや
全盲の美しきシンガーひらりちゃん、
150億歳wの宇宙人無性別ダンサーの想真さん
義足の女優森田かずよさんから、小さなモデルさんたち
寝たきり芸人の寝た(ネタ)や小人プロレス、ドラァグクイーンまで
「ありのまま」どころか「あるがまま」。
稀有な肉体と表現し、その特性を生かしたパフォーマンスの数々。
なんでもかんでもまぜこぜ一座。
最高に可笑しく、楽しく、毒もあり、美しく、
そして妖しい見世物でした。

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この突き抜けたクオリティの仕掛け人は東ちづるさん。
一般社団法人Get in touch!の代表をされているのですが
開場前には、お客さんひとりひとりに声をかけている姿が本当に素敵。


「多様性やダイバーシティを目指す社会ではなく、いまここにリアルにある」

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東ちづるさんの一言がとても印象的でずっと心に残っています。
由緒ある「神田明神で開催」というのも最高にクール!
夜市の赤い提灯が連なる幻想的な境内も「月夜のからくりハウス」もひとつづき、
そんな夜でした。

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11月26日、筑波技術大学にてランチトーク

11月26日、筑波技術大学にてランチトークがあります。

だれでも自由に参加できるそうです!

 

以下ご案内

第8回ろう者学ランチトークのお知らせです。
今回の講師は聞こえる世界と聞こえない世界をつなぐユニバーサルデザインアドバイザーで国際ユニヴァーサルデザイン協議会理事の松森果林様です!
以下、詳細です。
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【日時】11月26日(火) 12:10〜12:50
【場所】筑波技術大学天久保キャンパス214教室
【講師】松森果林様
【テーマ】「きこえる世界ときこえない世界をユニバーサルデザインでつなぐ
      〜東京ディズニーランドから空港まで〜」
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※学生・教職員・地域にお住まいの方々、どなたでもご参加いただけます。(申し込みは不要)
※お昼ご飯の持ち込みOKです。
貴重なお話をたくさん聞けると思いますのでふるってご参加ください。
皆様のご参加、心よりお待ちしております!

www.deafstudies.jp

http://www.deafstudies.jp/info/news0151.html

InterBEE2019に手話通訳付き講演が!

手話通訳がつくのは
敬愛するWOWOW田中晃社長が登壇される
Inter BEE2019 CONNECTED基調講演
「スポーツ中継のフィロソフィー~TOKYO 2020に向けて」。
11月13日(水)13時~14時半まで、幕張メッセ コンベンションホールA

「パラの話をするのに手話通訳など情報保障が無ければ引き受けない」と
条件提示されたというから素敵です。
「事前登録が必要ですが無料です。
手話が見やすい席を用意してもらっていますので、
受付でその旨をお伝えください。」とのこと。

reg.jesa.or.jp

登壇者自ら、このような条件を提示する方が増えれば
社会が変わっていくような気がします。
残念ながら字幕はかなわなかったようですが
一般的に考えればInterBEEという
技術プロが集まっている場だからこそ、あらゆる人が参加できる環境を提供してほしいと思います。

以下案内文----
セッショントピックは「スポーツ文化の発展とテレビの役割」
日本テレビの『姿勢と準備』~ラグビーW杯成功の裏側」
「東京パラリンピックのレガシーとテレビの役割」となります。
【日時】 2019年11月13日(水) 13時00分~14時30分
【場所】 幕張メッセ コンベンションホールA
【登壇者】 (株)WOWOW 代表取締役社長 田中 晃
ゲストスピーカー (株)読売巨人軍代表取締役社長 今村 司
日本テレビ放送網(株)編成局長 岡部 智洋
日本テレビ放送網(株)スポーツ局 ディレクター 望月 浩平
長野パラリンピック金メダリスト、IPC & IOC 教育委員会委員 マセソン 美季
(株)WOWOW 「WHO I AM」 エグゼクティブ・プロデューサー 口垣内 徹
【参加申し込み】 Inter BEEへのご入場、講演の聴講予約はInter BEE公式Websiteよりお願いいたします。
www/inter-bee.com
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田中社長の講演を初めて聞いた時の記事はコチラ
<2018-05-02 「WHO I AM」−これが自分>

karinmatsumori.hatenablog.com

 

「ダイアログ・イン・サイレンス」のアテンドスクール一期生を募集中

音のない世界で言葉の壁を超える究極のエンターテインメント
「ダイアログ・イン・サイレンス」のアテンドスクール一期生を募集しております!

聞こえないからこそ。
だからこそつなげていける対話がある。
この豊かな世界観を広げたい方、情熱のある方、お待ちしています。
一緒に静かな世界を、賑やかに豊かに盛り上げていきませんか?

attend-school.dialogue.or.jp

 

「ダイアログ・イン・サイレンス」はドイツから始まり、世界中で開催。
日本では2017年に初開催し
2018年、2019年と、連日満員御礼状態で終えました。

そうして、2020年。
ダイアログ・イン・ザ・ダーク、サイレンス、ウィズタイムがそろう
ダイアログ・ミュージアム「対話の森」が東京・浜松町の
複合施設「ウォーターズ竹芝」に誕生します!

taiwanomori.dialogue.or.jp

 

これまで培ってきたノウハウを活かし
「音のない世界での対話」のプロを養成する
「ダイアログ・アテンドスクール」を開講します!
対象は、聴覚障害者。
豪華講師陣による講義・ワークショップ(約4カ月、全12回)による
「対話を通じて社会を変える」変革者を目指すためのスクールです。
ダイアログのアテンドを目指す方はもちろん、学生、企業や行政に所属しながら
コミュニケーションスキルを磨き仕事に役立てたい方、
新たな時代に広く社会で活躍されたい方向けの講座です。
なお、「ダイアログ・アテンドスクール」は、一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの事業の一環として運営いたします。
日本初のアテンドスクール、講師陣も豪華!
ちょこっとだけお見せします。
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主な講義内容(例)
当事者研究が考える対話」松﨑丈氏(宮城教育大学特別支援教育講座准教授)
イノベーションってなに?」米倉誠一郎氏(法政大学教授・一橋大学イノベーション研究センター名誉教授)
「立ち居振る舞い~ビジネスマナーを身につける」西嶋恵理子氏
「身体の動きと対話」、「ダイアログ・イン・サイレンスのプログラムを実践」石川絵理、松森果林ほか(ダイアログ・イン・サイレンス アテンドスタッフ)
「対話のレッスン~相手の世界を引き出す」志村季世恵(社団代表・バースセラピスト)
「ダイアログ・イン・サイレンスが目指すもの」志村真介(ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン代表)
そのほか、ええ?!と驚く講師にもたくさんご協力いただきます。
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参考までに、2019年の様子の個人ブログはこちらです。
<2128人ものゲストとの響き合い。ダイアログ・イン・サイレンス2019>
https://karinmatsumori.hatenablog.com/entry/2019/08/28/170543

TEDxkumamoto2019情報保障編

f:id:karinmatasumori:20191012131301j:plainTEDxkumamoto2019では手話通訳とUDトークによる文字通訳がつきました。

TEDxでのトークは、スピーカーが熱い想いを世界中に伝えるために、
一字一句を念入りに吟味、トークの練習も重ねるため、
要約せずにそのまま音声認識で伝える方法が向いているのです。
今回は、事前に関連する用語をとにかく単語登録することによって認識精度を高め、
修正者不在でやりきったのがすごかったと思います。
休憩時間に行われた、スピーカーによるパネルディスカッションでは、
会場入場時にUDトークQRコードをシェアし、
司会者もパネラーもゲストも全員が自分のスマホで、UDトークを使いながら進める方法。質疑応答で質問するときも。

認識された画面はスクリーンに映し出され全員で共有できるので、
認識されないときは、話し直すこともありましたが、
このような珍しい進行方法を楽しんでくれていたように思います。

また、本番までの打ち合わせはグループメッセンジャーのほか、
ビデオ通話で顔を見ながら、UDトークによる音声認識を活用してのやりとりを重ねました。(誤認識にゲラゲラ笑いつつ)

参加者に配布された資料には、UDトークQRコードがつき、
ほぼ全員がダウンロード。

歩きスマホならぬ「しゃべりスマホ」があちこちで発生。
受付では「筆談による案内」や運営スタッフや
高校生のボランティアの皆さんは簡単な手話を事前に学んでくれていました。
覚えたての手話で自己紹介をしてくれる高校生たちが素晴らしくて感激の連続。

多様性を重視する「TEDxkumamotoだからこそできた情報保障」でした。

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「情報保障」…それは6月に登壇打診があったときに、私が真っ先に相談したことでもありました。
本番当日はもちろん、前日のリハーサルや、本番までの打ち合わせもふくめ
「連続した情報保障」が必要だからです。

そのために、自分自身の聴覚障害やコミュニケーションなどについて
自分の言葉で、最初にしっかり伝えるようにします。

よりよい対話をするために、そこにいる全員が同じ情報を享有するために
どんな方法があるのか、ともに建設的な対話を重ねていくのは
私にとって楽しい時間の一つです。

そうしてたくさんの方々の知恵や技術と、熊本情報提供センターの協力によって、
「TEDxkumamotoだからこそできた情報保障」が実現しました。

 

熊本へは、息子をアシスタントとして、コミュニケーションのサポートをする役割で同伴したのですが、
現地についてみると私の案内をしてくれる高校生たちは、
一生懸命手話を使ってくれたり、UDトークで話してくれるのです。
そんな彼女たちの姿を、息子は見守りつつ困ったときだけ自然とフォローをしているようでした。そして「高校生であんな体験ができるのはうらやましいことだね」と。

終了後の懇親会で、高校生たちがわたしのところへきて
「もっと手話を勉強したいです!」と
キラキラな瞳で言ってくれたときは、胸がいっぱいになったのでした。

 

最後に…以下は伝説として語り草になるであろう後日談。
6月に代表者であるキャプテンこと松岡さんとお会いしたのは、某ホテルのロビー。
UDトークとPCでのやり取りでしたが、
松岡さんの背面一面ガラス張りで逆光線がまぶしく、涙が出そう。
読唇できず文字も読みにくい…と思いつつ、
松岡さんの熱と圧に圧倒されていた私です。うっかり「まぶしいです」とかいったら「そんなに俺がまぶしいか」とかいわれそうで。
「おいっ」という松岡さんのツッコミが聞こえそうです。

実は松岡さん、UDトークを使用するために、
ホテル側にノイズとなる「BGM」と「池の滝の音」を止めてほしいと交渉してくれていたのです。
BGMはまだ理解できるとして(いやこれでもすごいです)、
ホテルの庭園の(まぶしいガラス張りの向こう側の)滝まで止めていたとは。
なんてありがたいことでしょう。
「滝を止める男」おそるべしキャプテン。

こんな方がいたからこそ、
「TEDxkumamotoだからこそできた情報保障」が実現できたのだと改めて思うのでした。

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『プロメア』LIVE ZOUND日本語字幕付き上映決定!

聴覚障害者でも「音の存在」を楽しめる映画館。
劇場が狂震(‼)する「LIVE ZOUND」、これぞエンタメの真髄!と
私が足しげく通う川崎チネチッタ
UDCastへの対応やモベリオ導入にも積極的ですが
こんなお知らせも頂きました。


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『プロメア』LIVE ZOUND日本語字幕付き上映決定!
11/1(金)、3(日)~7(木) 17:40~
11/2(土) 11:50~
11/8(金) 16:40~
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『プロメア』という作品、チネチッタでは5月から公開し
映画音響革命のLIVEZOUNDと作品とがぴったりとはまったことから
想定外の大ヒットを記録、聖地化しているという噂。

 

正直私はあまり興味がなかったのですが
聞いてみると、
当初客層は男女半々くらいだったのが、今では9:1で女性だとか。
そこでもっと多様な方への楽しみを広げたいと
ついに「日本語字幕×LIVEZOUND」の実現です。
どんな「狂震体験」ができるのか?
興味のある方ぜひ足を運んでみてください。

 

LIVEZOUNDについて良くわかる記事↓
『この川崎の片隅で体感した映画音響革命「LIVE ZOUND」【前編】』
https://mazecoze.jp/cat7/3054
チネチッタ川崎』

cinecitta.co.jp


『プロメア公式サイト』
https://promare-movie.com/