東京国際映画祭「聖の青春」UDトークとUDCastで


東京国際映画祭の舞台挨拶に情報保障がつくなんて!
松山ケンイチさんや、東出昌大さんの話しがUDトークで分かるなんて!
クロージング作品「聖の青春」をメガネ型機器で字幕表示できるなんて!!


11月2日、第29回東京国際映画祭のクロージング作品「聖の青春」に息子と参加。
羽田空港での仕事を終えて、学校帰りの息子と六本木で待ち合わせ。
(地図が読めないハハ、想像通り待ち合わせにすったもんだ。)


熱気あふれる会場に登場したのは、松山ケンイチさん、東出昌大さん、森義隆監督。
観客からは大きな歓声、最前列のマスコミ席からはフラッシュの嵐、
私のスマホにはUDトークでリアルタイムに文字表示。


日本語で話した後、英語に翻訳します。
その間は
(英訳中)という文字表示。なるほど!


UDトークもいい仕事をしてくれましたが
生で見る俳優さんはやっぱり素敵。
松山ケンイチさんは、映画では太った不健康そうな青年ですが
舞台挨拶では別人のようにスリムに。というか戻したのですね。
東出昌大さんの長身ぶりといったら!
将棋の映画ですが、テーマは「勝負の世界に生きること」。
厳しい勝負の世界を生き抜いてきた「スペシャルゲストが登場します」と司会者。
だれだれ???とざわつく中登場したのは
リオオリンピックメダリストの吉田沙保里選手、三宅宏実選手、カヌーの羽根田卓也選手!!
私たちは二階席でしたが、
一階席からブワーッと拍手によって割れて揺れる興奮の空気が立ち上ってきました。
空気って動くんだぁ!!
東出さんと並んだ三宅選手が小人さんみたいで可愛い。
豪華俳優と豪華メダリストの一言一言が
全てUDトークによって文字化されるのがスゴイ。
話す人の名前が分かればもっと良かったかも。


今回UDトークの修正者はプラスヴォイスの方が現場に1人
事務所からの遠隔修正が1人、計二人で修正されたそうです。
終わった後、お話を伺ったら「緊張して夕べは眠れなかった」とか。
だって国際映画祭ですもの。プレッシャーもすごかったことでしょう。
おかげさまで素晴らしい舞台挨拶でした。


そして映画「聖の青春」。
私は字幕表示されるメガネ型機器で、
息子は初めての音声ガイドで。


100年にひとりと言われる天才・羽生善治
29歳にして亡くなった実在の棋士村山聖を描いた実話。
将棋って全く知らない世界でしたがなにあの緊張感。
まさに息をのむ対局、駒を動かす指先一本から発せられる静かな空気。
日本独特の粋な美しさと厳かな伝統文化。
音声ガイドを初めて試した息子は、時々目を閉じて耳を済ませたとか。
「静かなシーンが多いから、情景の説明の仕方が勉強になった」とのこと、
「逆に映像の情報量や、伝える力の強さと豊かさを改めて感じた」ようです。
今回私は、エプソンの新型を試してみました。
白い縁取りの字幕がとても見やすく、軽かったのですが
・さらに軽量化!
・コードレスで!
・お化粧が取れない工夫(目頭のとこね)
・女性や子どもも楽しめるデザインに!
今あるメガネ型は、どれも男性目線で
だれでもウルトラセブンらしきものになっちゃう。
若い女性デザイナーに作ってもらうとか、ふわふわのメガネとか♡
今後改良されていくのが楽しみです。
いよいよ来年あたりから、こんな上映スタイルが増えていきます。
「聞こえる家族や友人と邦画を楽しむ」という当たり前のことが
実現するのでしょうか。
週3で映画館に通う私としては嬉しい限りです。



ほくほくしながら映画館を出て
エスカレーターを降りようとする私に「上だよ!」と息子。
「方向感覚おかしいよねw」。分かってますw



今回の情報保障を実現させてくださったのは
「映像のバリアフリー化」に力を入れるメディア・アクセス・サポートセンター通称MASCさん。
おかげで聞こえる子どもと一緒に楽しめました。
素晴らしい機会をありがとうございました!

第29回東京国際映画祭でのアプリ「UDCast」対応作品について
http://npo-masc.org/tiff2016/

第29回東京国際映画祭 クロージング作品舞台挨拶トーク内容
http://movie-news.jp/satoshi/2016/11/29-1.html