『聴覚障害×当事者研究―「困りごと」から、自分や他者とつながる』金剛出版より上梓

8月7日新たな一冊、株式会社金剛出版より上梓。

聴覚障害×当事者研究―「困りごと」から、自分や他者とつながる』

当事者研究とは
「自分」がかかえる生きづらさのなかから
「自分」が生きやすくなるための「研究テーマ」を見出し
自分にあった「わかりかた」や「たすけかた」を見出していくこと。
2018年、2019年に宮城教育大学で開催した
聴覚障害当事者研究シンポジウム」では日本でも初めて
聴覚障害(ろう・難聴・中途失聴・ろう重複障害等)の事例を紹介した場となりました。
<2018年>
日本初。聴覚障害当事者研究シンポジウム開催!9/9in仙台 - 松森果林UD劇場~聞こえない世界に移住して (hatenablog.com)
<2019年>
9/29聴覚障害×当事者研究!シンポジウムin宮城教育大学 - 松森果林UD劇場~聞こえない世界に移住して (hatenablog.com)

これがきっかけで、書籍化の運びとなりました。
お値段はちょっと高めですが、目次を見ていただくと分かると思うのですが
多種多様な事例があります。
これらを編著された松﨑先生による進め方の解説や
熊谷晋一郎さんと綾屋紗月さんの対談もあります。
この一冊が多くの方に届きますように。
<熊谷晋一郎さんからのコメント>
「人類がこれから直面する経験を伝える言葉を技術革新に
遅れず開拓していくこと――それは聴覚障害という新たな
系譜と接続した当事者研究が直面する
“来たるべきミッション”のひとつかもしれない」(熊谷晋一郎)
<綾屋紗月さんからのコメント>
聴覚障害の仲間たちのなかにも、聴覚障害
マジョリティの言説では自分の経験がこぼれおちてしまうと
感じる仲間がいて、当事者研究に魅力を発見してくれた――
そのことに今までにない新しさを感じている」(綾屋紗月)
<基本情報>
聴覚障害×当事者研究:「困りごと」から、自分や他者とつながる
編著者 松﨑 丈
執筆者 桑名真之介・志磨村早紀・西垣正展・真壁詩織・松森果林
金剛出版 2023/08/07 A5・288ページ 定価 3,740円(税込)
公式HP https://www.kongoshuppan.co.jp/book/b630067.html
<書籍のカバーの紹介文>
自分自身の「感覚・身体」から、
他者や社会との間にある「対話・情報保障」、
そして他者や社会との対話から紡がれる「物語」へー
ずっとひとりで抱えてきた「困りごと」を、
自己との対話・仲間との対話で研究しよう!
弱さのままに生きていける「知」、
まだ誰も知らない「言葉」を探る。
<目次(カッコ内は執筆者名)>
第1章 聴覚障害当事者研究の導入
 第1節 当事者研究の歴史・理念・目的(西垣正展)
 第2節 なぜ聴覚障害分野に当事者研究を導入するのか(松﨑丈)
 第3節 当事者研究の公開と安全性(松﨑丈)
第2章 聴覚障害当事者研究の実践
 第1節 感覚・身体
     聴覚(志磨村早紀)
     耳鳴りは唯一の音楽(松森果林)
     情報処理(真壁詩織)
     自己編集(松﨑丈)
 第2節 対話・情報保障
     育児(志磨村早紀)
    集団会話(松﨑丈)
    障害認識(西垣正展)
    情報保障(松﨑丈)
 第3節 物語
    音を失う身体と、置き去りにされる心と(松森果林)
    親子関係(松﨑丈)
    聴者との関係(桑名真之介)
第3章 聴覚障害当事者研究の今後
 第1節 聴覚障害当事者研究のさまざまな実践メソッド(松﨑丈)
 第2節 聴覚障害当事者研究に取り組んでみよう(松﨑丈)
 第3節 今後の展望(松﨑丈)
対談「当事者研究へ、ふたたび」(熊谷晋一郎+綾屋紗月)