字幕付きCMを当たり前にしていくために

テレビCMの字幕付与率がやっと1.1%になりました。
CMは、企業の商品やサービスを伝えるための宣伝メディアですが
情報は「伝わる」ことで初めて意味をなすものです。
テレビ番組の字幕付与率が100%に近付いてきたように
もっと増やしSDGsの「誰も取り残さない社会」につなげたいです。
そのための「字幕付きCM5つのお話(動画)」が
YouTubeに公開されました。
 
字幕付きCM5つのお話
 
①「聴覚障害者の声」
②「字幕付きCMの意義」
③「字幕付きCMの意義やロードマップ」「テレビ局が字幕付きCMを放送するまでの流れ」
④「字幕付きCM概論」「商流、字幕ハンドブックなどの紹介」
⑤「字幕付与制作作業の実際」
 
作成したのは
「字幕付きCM普及推進協議会」といって
日本アドバタイザーズ協会JAA
日本広告業協会(JAAA)
日本民間放送連盟(民放連)の3団体で構成されています。
私からは聴覚障害当事者であり、
長年このテーマに関わってきた立場として
また、2019年2020年に行ったCM字幕アンケートの結果として
約1,750名の回答と共に字幕付きCMへの期待を話しています。
そのほか、広告主・テレビ局・広告会社・制作プロダクション等
各立場からの取り組み、
字幕付きCM制作のヒントなどが紹介されています。
沢山の方に見ていただき、一緒に考えてもらえると嬉しいです。

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映画『へんしんっ!』日本語字幕と音声ガイド同時に6/19より

映画『へんしんっ!』

6月19日から日本語字幕と音声ガイド両方の「オープン上映」で全国順次上映。

 コメントをお届けしました!

電動車椅子を使って生活する大学生の石田智哉監督が
「しょうがい者の表現活動の可能性」を探ろうとはじめた取材。
演劇や朗読で活躍する全盲の俳優・美月めぐみさん、
ろう者の通訳の育成にも力を入れているパフォーマーの佐沢静枝さんなど
多様な「ちがい」との出会いと対話の中で
監督自身が変化、変身してゆくリアルで見ごたえのある作品です。

『へんしんっ!』公式ホームページ (henshin-film.jp)

「パリの日々 言語哲学者の休暇、あるいは字幕翻訳者のプロローグ」

 フランス映画でよく見かけるのが

<字幕/丸山垂穂>というクレジット。

印象的な名前の丸山垂穂さんと
実践女子短期大学で非常勤講師をしていたときに
お世話になっていた手話通訳の丸山垂穂さんが同一人物だと
分かったときの衝撃たるや…!!

以来お付き合いいただき約20年。
最近では「スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」や
是枝監督の「真実」など有名な作品も手掛けられています。

「パリの日々 言語哲学者の休暇、あるいは字幕翻訳者のプロローグ」

ちょっと長めのタイトルのこの本は
垂穂さんのお母様が40年前に描かれたパリ滞在記に
現在の思いや後日談を追加したもの。

中学時代をパリで過ごしたことが、フランス語の字幕翻訳家への道となり
更には手話通訳士として、様々な人と人とをつないでいる今。

お父さまは言語哲学者の丸山圭三郎さん、
ご家族そろって言語意識が高いのでしょう、
40年前とは思えないほど
とても新鮮で気持ちよく読める一冊。
垂穂さんがご両親にあてた手紙がみずみずしくてこれまた素敵。

パリでの食事に関する描写はワクワクが溢れます!

垂穂さんの少女時代のエピソードを読みながら、
中学時代に字幕がある洋画にハマり
「なまいきシャルロット」を見て
シャルロット・ゲンズブールの大ファンになったことを思い出しました。
以来フランスに憧れ、フランス映画は今も大好きです。

フランスには3回ほど行きましたが
いつか垂穂さんと一緒に行きたい!という野望も。

海外旅行になかなか行けない今にピッタリの一冊。

「パリの日々 言語哲学者の休暇、あるいは字幕翻訳者のプロローグ」
パリの日々 言語哲学者の休暇、あるいは字幕翻訳者のプロローグ | 丸山 直子, 丸山 垂穂 |本 | 通販 | Amazon

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シャルロット・ゲンズブール
今も素敵。

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耳をかたむける

装丁に惹かれて一気読みした一冊。
「52ヘルツのクジラたち」

f:id:karinmatasumori:20210426173544j:plain他のクジラが聞き取れない高周波数で鳴くため
自分の意思や存在を誰にも伝えることができない
世界一孤独なクジラ。


「わたしを殺したかったのはわたし」と
今にも消えそうな火を守るように生きる主人公と
母親からの虐待で声を出せなくなった少年との出会い。
弱者やマイノリティといわれる
多様な登場人物からの
叫び、呻き、嘆き、悲しみ、怒りなど様々な声なき声――52ヘルツの声は
身近なだれかかもしれなくて、
自分でもあることに気付かせてくれます。
 
でも、どんなに暗い海の中でも
一筋の光となる他者との出会いが、
希望と再生につながること。
決してファンタジーだけで終わることなく、
児童虐待、ネグレスト、親子関係、きょうだい間の差別、
恋人からのDV、
トランスジェンダー、ヤングケアラーなど
あらゆる現代社会の問題が浮き彫りとなり
自分ならどうするだろうか、
どんな方法が現実的なのか読者も一緒に考えていける。

他者の声なき声を受けとめられる優しい人が苦悩する社会ではなく
声なき声に耳をかたむけすくえる社会になるといい。
沈黙に一人耐える孤独の声や
言語化できない思いや
声にならない泣き声は無数にある。

だれかに頼ること、声をあげることをあきらめていたり
「助けて」といえなくなった人や、
コロナ禍での孤独を温かく包み込んでくれる一冊。
 
大分県の海岸沿いの街や福岡県小倉の街並みや
郷土料理など風景描写もとても素敵。
 
52ヘルツの声って、どんな音なのだろうか

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これは昨年作成した切り絵のクジラ

クラファン達成!ありがとうございました

1300名を超す皆様からの応援のおかげで
昨日クラファンの目標達成!
5000人もの子どもたちの体験が可能になりました。
本当にありがとうございます。

海外では、ダイアログ体験者の半数以上は子どもです。
教育のコンテンツとしても積極的に活用されているのに
日本ではたったの4%。
私は様々な小中高校や大学などで講演をし、感想をもらいますが
「聞こえない人の話を聞いたのは初めて」というのが必ずあります。
教科書で学ぶ知識は実体験して初めて自分のものになります。

ダイアログミュージアム対話の森で
子どもの頃から、多様な人と楽しみながら出会い
バトンを渡していきたいと思います。

本日4月22日23時59分まで
まだまだ魅力的なリワードが沢山あります。
手話通訳や文字支援を希望する方はその旨伝えて下さい。
(ダーク以外は対応可能です)
今こそ #対話をあきらめない
https://camp-fire.jp/projects/view/375163


世界初!エアカフェの素敵な動画が届きました!
目をこすってもなんにもないのに、美味しそうに食べてます!
注文を断らない!コロナ禍でも楽しめる!「エアカフェ」です。

https://youtu.be/SsC9LvijLvc

これぞ社会課題を楽しみながら解決していくソーシャルエンターテイメント。
対話の森での開催も、出張開催も大人気です。
皆さんからいただいた対話の種が世界中に広がっていきますように。
笑顔溢れる世界へのイノベーションへと。

心からの感謝を込めて。

対話を続けるためのクラファン、本日最後の応援をお願いします

★対話を続けるためのクラファン、今日が最後の応援お願いします!
★リターンでは手話通訳や文字支援など、希望を伝えて下さい。
伊藤詩織さん、堀内勉さん、安渕聖司さん、
志村代表など沢山の講座等が揃っています.

★1000人を超える方からの支援で92%まで来ました。
2000万円の目標を達成すれば5000人の子どもたちが
視覚障害聴覚障害、高齢者など多様な人と出会い
対話を楽しめる「ダイアログミュージアム対話の森」を体験できます。

https://camp-fire.jp/projects/view/375163

★代表の志村真介さん。
瞳に嘘がない人です。
2005年ごろ、難聴の友人に誘われて体験したダイアログ・イン・ザ・ダーク
真介さんと季世恵さんにお会いし
その後毎年クリスマスカードが届くようになりました。

2014年3月真介さんから
「突然倒れて生死を彷徨いましたが、多くの方々のお陰で元に戻ってくることが出来ました。
倒れる前に果林さんに伝えなければと思っていたことを思い出しました。真介拝」

と病床からメッセージが届きました。
講演中に倒れ余命4時間と宣告されたことや
季世恵さんの温かな看護で奇跡的な回復にあることなど
FBで拝見していた私は「いつか聞かせてください」と。

そして
2014年もクリスマスカードが届き
2015年春「そろそろ相談させてくださいね」と
メッセージが届くものの肝心な内容は分からず。

2015年初夏「一度季世恵と二人で…」と、やっとのことで
真介さんが描くビジョンを共有することが出来たのでした。

真介さんが生きていてくれたこと
季世恵さんと出会ってくれたこと
そして伝えてくれたこと。
仲間が増えたこと。
今こうして「ダイアログミュージアム対話の森」があること。
1000人を超す応援者がいること。
すべてが奇跡のようです。

「人生には、2つの生き方しかない。
1つは奇跡などないかのような生き方、もう1つは、
あらゆるものが奇跡であるという生き方だ」といったのは
アインシュタインだったかしら。

私にとってはあらゆるものが奇跡だと思えるし
そのすべてに感謝したいと思います。

2020年夏にオープンした「ダイアログミュージアム対話の森」
コロナ禍でのオープンって、これ以上ないという経営危機のリスク。
それでも歩みを止めない。対話を止めない。
どうかあと一歩、今日一日、最後の応援をお願いします。 

2030年、その先のビジョンを映しだす真介さんの瞳が
私は大好きです。
それを見つめる季世恵さんにも
ふたりの周りにいる私たちの瞳にもうつしかえし
「対話」が連綿と続いていく世界へ。

#対話をあきらめない
https://camp-fire.jp/projects/view/375163

『自閉症の僕が跳びはねる理由』

自閉症の僕が跳びはねる理由』

自閉症の作家、東田直樹さんが13歳の時に執筆した自伝を映画化したもの。
重度の自閉症で会話ができなかった東田さん、文字盤の指差しや
パソコンを習得することによって、
ご自身が感じる内面の感情や思考、記憶を言語化していったとか。

視線を合わせない、身体をゆらす、飛び跳ねるなど
そんな動きや特徴にはすべて理由があるという東田さん
「自分の生きづらさの原因は、記憶と時間との関係にある」と
記憶の仕方を語る場面がなんだか印象的でした。

自閉症の方の視点、物事の見方、光や風や音のとらえ方などを
映画という媒体を使って「映像の力で可視化」しています。
もちろん、自閉症と言っても十人十色なのでこれがすべてではないけれど
新たな世界が垣間見れた気がします。

https://movies.kadokawa.co.jp/bokutobi/

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