松井智回顧展

9月16日まで京橋にて「松井智回顧展」が開かれている。
今週いっぱい、金沢美術工芸大のOBらと学生による「東京・銀座大展覧会」が開催されており、銀座と京橋の画廊など百二十二カ所で展開されている。
回顧展はその中の一つ。
可能な限り、会場にいるようにしている。
松井智さんというのは、私の恩師でもある松井先生のこと。
松井先生は7年前、45歳という若さでこの世を去った。

高校三年生のころ、聴力を失い、音のない世界に放り出された私に、デザインという「光」で導いてくださったのが松井先生であった。
人生を変える、運命の出会いといえるだろう。

この回顧展では、障害者教育に生涯をささげた松井先生の作品とともに、松井先生の教え子たちの作品も展示されている。
障害のあるなし関係なく、誰にとっても使いやすいことを考える「ユニバーサルデザイン」は、いまやメーカーだけでなく、社会にとって欠かせないキーワードとなりつつある。
これこそ、松井先生が求めていたものだろうし、
松井先生が築き上げてきたものの上に成り立っているのだと思う。

松井先生の突然の死は、いまだに受け入れがたい事実であるが回顧展の会場で、少しずつ思い出と向き合っている一週間だ。

松井智回顧展
http://www.gitan-doso.org/old_school/old_school_20070824.html