CM字幕勉強会「CM字幕に関する最新動向」無事に終了

「CMにも字幕を♡」
長年(16年!)提案し続けてきた私としては、信念というかもはや執念。
そんな野望の塊ともいえる、CM字幕勉強会が無事に終了しました。

【開催概要】------
IAUD主催第三回定例セミナー
余暇UDプロジェクト企画 CM字幕勉強会「CM字幕に関する最新動向」
http://www.iaud.net/event/archives/1305/10-150000.php

日時: 2013年5月20日(月) 14:00〜16:30
場所: 株式会社NTTデータ 豊洲イノベーションセンター
情報保障: 手話通訳・パソコン要約筆記   

【講演内容】
余暇のUDプロジェクトにおける長年の研究テーマとして
取り組んできましたCM字幕に関する勉強会を開催いたします。
講師の方をお招きして最新のCM字幕情報や事例をお話いただく予定です。
1、部会長挨拶
2、余暇のUDプロジェクト、ろうのメンバーより挨拶
3、実際に放送されているCMを字幕なし/字幕ありで上映
4、講師からの講演
◆「CM 字幕を含めた字幕放送に関する総務省の考えと取り組み」
長塩 義樹 氏
総務省 情報流通行政局 地上放送課長 
◆「2013年度字幕付TVCMトライアルはどうなる?」
佐多 直厚 氏
株式会社電通 電通ダイバーシティ・ラボ(DDL)障害ワーキンググループリーダー
◆「CM字幕トライアル放送を実施して」
末武 貴 氏
イオン株式会社 宣伝部 副主席
◆「CM字幕トライアル放送とその反響」
多治見 豊 氏
花王株式会社 作成センター長
◆「CM字幕のニーズと効果」
井上 滋樹 氏
博報堂ユニバーサルデザイン所長、IHCDジャパン代表、明治大学講師
◆「ジャーナリズムの観点からCM字幕について」
吉井 勇 氏
株式会社ニューメディア 月刊ニューメディア編集長
5、質疑応答
6、閉会の挨拶、松森より

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ずっとこうした勉強会を開きたいと提案し、やっと通った企画です。
5月の連休があけると、寝ても覚めても寝ていても(?)準備のこと
ばかりが頭を占めているという状況。
昼食も忘れて、朝からずっとパソコンに向かい、気が付けば一日顔を洗っていなかったり。

当日は先着50名定員のところをはるかに超える115名もの人で溢れかえりました。
広告関係者、CM制作者、字幕関係者、放送局、広告主と様々です。
それでもお断りせざるを得ない方も多くおり本当に残念です。
また、反響が大きすぎて、広く一般の方に案内できなかったのも残念です。
でも逆に言えば、これだけ多くの方に関心を持っていただけたということ、本当にありがたく思います。
主査と共に、私も司会進行を担当しました。


総務省からのお話にはじまり、
電通さんと博報堂さん、ライオンさんと花王さん
そして最後はジャーナリストと、講師は
競合会社同士であったり、立場は違えど
「CM字幕の本放送へ」という一つの目標に向けての話は
まるで、バトンを繋いでいく見事なリレーの様でした。
最後の、ニューメディア編集長吉井さんのお話では



「これまでは障害者が中心となってお願いをしてきました。
しかしこれからは我々が動かなくてはなりません。
バトンは渡されたのです」


と。
企画をした「余暇のUDプロジェクト」メンバーは11人のうち6人が聞こえない人です。
これまで、当事者という立場で「お願い」ばかりしてきた私たちにとっては、感無量の言葉でした。


「情報は伝わって初めて意味を持つ」ものです。
どの企業も、自社の商品をアピールしたくて、視聴者に振り向いてほしくて
様々な工夫をこらしてCMを作っているはずです。
精魂込めて作ったCMが沢山の人に伝わっていない事実があります。
今の私たちの活動や仕事は、
必ず10年後、20年後、30年後の私たちに返ってきます。
なぜならば、誰でも歳をとれば耳が遠くなり、聴力は衰えるからです。
そのときに「やってよかった!」と誇りに思えるような仕事をしたいと思うのです。
とはいえ、そのころも私たちは相変わらず聞こえないままでしょうし(笑)
これから聞こえなくなる方々のためでもあるのかもしれません(^^)


冗談はさておき「CM字幕の本放送」が実現したら
「誰もが同じ情報を得られるのが当たり前」になったら、
その時わたしははじめて、
聞こえなくなっても、ちゃんと生きていて良かった、と
思えるんじゃないかと、大げさではなくて本当に思います。



ふと手元をみると、まだまだたくさんのバトンがありました。笑
バラまかねば!!