東京国際映画祭で朝原雄三監督と

karinmatasumori2013-10-25

東京国際映画祭、今年もシンポジウムに登壇させていただきました。


映画の未来〜バリアフリー上映に対応する新しい劇場設備と、
広がる観客の可能性についてのシンポジウムです。


上映作品は12月14日から公開される『武士の献立』。
スクリーンには日本語字幕が付き、新しい試みとして
Ipod touchが貸し出されました。
音声電子透かし技術を使って
・日本語字幕
・英語字幕
・日本語音声ガイド
・英語音声ガイド
が自由に選べるのです。


シンポジウムに一緒に登壇された全盲の大河内直之先生は、イヤホンを使って音声ガイドで。
私は、スクリーンの日本語字幕を見ながら、手元のipodでは英語の字幕を見ていました。



「武士の献立」
私にとっては久しぶりに見る邦画でした。
邦画は字幕がつかないので、聞こえない人は楽しむことができません。
ここ数年で、字幕付き上映は増えてきていますが、
ごく少数の映画館で、一か所につき一日だけあるいは二日間だけなどと
日時が限られているため、タイミングが合わないと観られない。
これが日本の映画の現状なのです。


武士の献立は、優れた味覚と料理の腕を持つ春(上戸彩)が
料理下手な「包丁侍」の家に嫁ぎ、
夫の料理指南をしながら、料理で動乱を乗り越えた
実在の家族の物語…時代劇だけど現代劇っぽくて、
こでもかというくらい、美味しい日本の伝統料理や食材がでてきます。
それらを大きなスクリーンで見るのは圧巻。
自然と口の中に唾がたまってくるのです。
上映会は11時〜13時までというお昼をまたいだ時間だったので
私のおなかはずっとグウグウなりっぱなし。
絶対聞こえてるよ…
でも、スクリーンの日本語字幕を見ながら、手元で英語字幕を見ると
「さようでございます」
って、英語でこんな風に言うんだ!と勉強になったり。


上映会が終わると、日本映画製作者連盟会長の大谷信義さまや
内閣総理大臣補佐官 参議院議員衛藤晟一さまのご挨拶があり
全員でのフォトセッション。
シンポジウムの進行は
映画プロデューサーの山上徹二郎さん。
東京大学先端科学技術研究センターの大河内直之さん(全盲
武士の献立を手掛けた朝原雄三監督と、私。
朝原監督は、「釣りバカ日誌」シリーズでも有名です。
情報保障として手話通訳と、パソコン遠隔要約筆記がつきました。


7年後の東京オリンピックパラリンピックに向けて
「多言語を選べる」というのがキーワードになってきます。
Ipodを使った今回のシステムは、映画だけではなくテレビでも、
劇場でも、駅や空港などの公共施設から、テーマパークまで
あらゆる場面での活用が期待できそう。



いつでもどこでもどんな場面でも!
自分に必要な情報が選べること!


そんな未来の可能性を考えるきっかけとなれば良いなと思います。
「武士の献立」12月14日から
日本語字幕付き上映もあるそうです。
とにかく美味しい映画、見た後には絶対日本酒と和食が食べたくなる。
これは必見です!!
http://www.bushikon.jp/