京都大学で『聴覚障害者のための字幕付与技術』シンポジウム2016が開催されました。
10年目となる今年はTVや映像の情報保障がテーマ、
150人を越える参加がありました。
広い会場で、五人もの豪華講師陣。
母校である筑波技術大学の若月先生からの、
遠隔情報保障の特徴やデモはもう一度大学で学び直したいと思うくらい!
追手門大学福島先生の研究、
カナダの字幕事例は日本との違いが明確で惹き付けられるし、
京都大学河原先生の音声認識を活用した講演や放送大学の字幕付与は興味深く、
兼子先生のアメリカでは速記が字幕を支えてきた話や
「言ったことをそのまま出しても伝わらない」という話は考えさせられました。
そんな先生方に囲まれ恐縮しつつ
私は「テレビCMにも字幕を!」と講演。
この提言をして19年、なぜCMにも字幕が必要なのか?
まずは情報格差を実感して頂き、
CMに字幕がつかない理由や、
2010年日本初の字幕つきCMトライアル放送が行われてから
約12社が放送している現在までの流れ、あるべき社会の姿とは?など話しました。
懇親会では、先生方やニューメディアの編集長達と
「音声認識関係者を全部集めて客観的に評価する機会を作ろうよ」
などと盛り上がりました。
今や沢山の音声認識ソフトやアプリが出ていますが、
一方で、自分にとって本当に良いのはどれか選びにくくなっています。
使う側が見極め、賢い選択をし、活用していく知恵や力が求められていきます。
そしてまた、多くの出会いがあり
「松森さんの話は目から鱗が落ちる思いでした。このために東京から来て良かった!」
と言ってもらえたときには疲れがふっとびました!
今後の自分の講演のヒントも沢山頂いて、新幹線に。
深夜に帰宅し翌朝目覚めたら、なんとまぁ!
耳下から頬が腫れてこぶとり婆さん状態に!
痛いのに笑わずにいられない腫れっぷり。
休日診療に駆け込んだら急性耳下線炎とのこと。
おたふくみたいでしばらくマスク生活です。
いらぬものを持ち帰ってしまいました(´;ω;`)
以下シンポジウムプログラム
講演1「ウェブを活用した聴覚障害者のための遠隔情報保障」若月大輔(筑波技術大学)
講演2「カナダにおけるテレビの字幕配信事情」福島孝博 (追手門学院大学)
講演3「テレビCMにも字幕を!〜音のない世界と音のある世界をつなぐ〜」松森果林 (ユニバーサルデザインアドバイザー)
講演4「音声認識を用いた講演の字幕付与の実施状況」河原達也 (京都大学)
講演5「放送に望まれる情報保障」兼子次生 (関西サイエンス・フォーラム)