25年ぶりのラジオとの再会は

25年前に音を失うまで、ラジオは身近なものでした。
好きなアイドルの声が聞きたくて、深夜まで耳を傾けていたり
聴力の低下が進行しても、ラジカセを耳に密着させて聞いていました。
ジェットストリーム」とかも好きだったなぁ。


聞こえなくなって一度だけラジオに出演しましたが
それ以外では、縁がないものだと思っていたラジオです。



ところが、2017年8月13日、25年ぶりにラジオを聴きました。
耳ではなく、瞳で。
音声とともに、YouTubeで手話と文字も一緒に。
J-WAVEの「サイレントラジオ」です。


8月1日から20日まで、言葉の壁を超えた対話を楽しむエンターテイメント
「ダイアログ・イン・サイレンス」に関わっています。

私が大尊敬する主催者の志村真介さんは
聞こえない私たちと関わる中で
「耳の聞こえない人たちはラジオを楽しめているのか?」という
素朴な疑問から
「そうだ、ラジオの内容が見えればお互いにもっと楽しくなる?!」と
思い切りハートを膨らませたのだとか。
いつもカッコよくて粋で、グッドデザインをテーマに放送を続けるJ-WAVEなら!と
一緒にチャレンジする機会を作っちゃった真介さん、やはりスゴイ。
新たなチャレンジを生み出すまでのエネルギーと覚悟は
相当なものだったと想像します。
加えて、
監修の森本さんと私にも一緒にアイデアを出す機会をくれました。
「サイレントラジオ」のコンセプト
「だれも取り残さない情報保障」…話しを聞いて鳥肌が立つくらいワクワクしました。
真介さんと季世恵さんの熱い想いに、周りのスタッフの想いも乗っかって二倍三倍五倍増し!
無謀ともいえるアイデアや提案の数々に
だれもが「できない」とはいわず
「どうすればできるか」を一生懸命考えている打ち合わせ現場に
涙が出そうになりました。
真介さんと季世恵さんが周りを巻き込んでいくときって、とても静かで柔らかで丁寧なんです。
そして心地よい。


そうして実現したJ-WAVEの「サイレントラジオ」
瞳で聴きながら、
「このラジオ、いま聞こえる人も聞こえない人も一緒に楽しめているんだよね??」
「リアルタイムで楽しめているんだよね??」
「もう一度言うけどラジオだよね??」と
何度も確認したくなるほど、素敵な時間でした。


時折入るCMは協賛企業の清水建設さん。
もちろん、ラジオCMも字幕付きです。
私は、「テレビCMにも字幕を」と20年も活動をしており
現在約13社がCMに字幕をつけて放送している中、
清水建設さんは数年前からスポンサー番組のCMには全て字幕をつけています。
ラジオCMまで字幕なんてすっごく新鮮で画期的。


手話は単なる手話通訳ではなくて、声の出演者に合わせた雰囲気に
成り切っての手話通訳。海外ではよく見かけますよね。




そして何よりも私が
「あ、やっぱりラジオなんだ!!」と実感したのは
お話の途中で曲をはさむこと。
そうそう、ラジオってこうだったよね!と。
音楽が流れている間は、曲のタイトルや選曲の理由、エピソードなどが
文字表示されているのです。
まるで一緒に聴いている感覚でした。


三曲目には
私の「夜空を見上げて、星の音が聴こえる気がする」という言葉を受けて
ビートルズの宇宙をテーマにした曲が。
どれだけ想像しても想像しきれないくらい素敵な曲なんだろうなと胸がいっぱいに。



言語を超えたコミュニケーションの先にあるもの
言葉なんていらないと思える次元の世界
あらゆる壁をなくせば世界はとてもシンプルなんだ

「サイレントラジオ」の全テキストと動画はこちらでご覧いただけます
http://www.j-wave.co.jp/holiday/20170813/