ダイアログ・イン・サイレンスを終えて

寝ても覚めても「ダイアログ・イン・サイレンス」。
8月1日から20日まで、約3500人にご体験いただきました。
企画監修として関わってきた総括は、言葉になるまでまだ時間がかかりそう。
なので、まずはアテンドとしての想いから整理することにします。


実は後半からはアテンドとしても対応しておりました。
このチャレンジは、私にとっては相当の覚悟が必要でした。
監修という立場から、アテンドへの道のりの遠かったこと…!



監修として、アテンドの皆さんと、体験と気持ちを共有したいと思い
研修にも一緒に参加してきました。
でも、初日を迎えアテンド達が華々しくデビューしていく様子を見送りながら
うらやましい…♡と感じている自分もいました。
90分間のツアーを終えた後のアテンドの顔も、ゲストたちの顔も
きらきらと輝きほくほくとした雰囲気で楽しそうだったからです。



それからは、自分の中で迷いと闘いの日々…!
監修がアテンドやりたいなんて言っていいのか?
みんなへの影響は?
今更練習やデモができるのか?
自分の体力はもつのか?
そもそも私はアテンドとして向いているのか?
中途半端なことはできないぞと
寝ても覚めても終わらぬ自己との対話。
日に日に楽しいと思えなくなっている自分。
笑顔がツライ!開催したばかりなのに!



長い長い自己との対話の末に出した答えは


「それでもチャレンジしたい」。


気持ちはスッキリしたものの、
以降は自分の才能のなさ、不甲斐ない自分と向き合う日々。
「ダイアログ・イン・サイレンス」は
言葉を使わずに楽しむエンターテイメント。
エッセイストや講演者として「ことば」を生業にしている私から「ことば」をとったら
表現力もパフォーマンス力も乏しくてなんと情けないことか。
一日一日と日が過ぎてゆくのに、デビューへの道のりが見えず心が折れそうに。
それでも「あきらめる」という言葉は毛頭なくて。
3度目のデモでやっと、笑顔を取り戻せました。
繰り返しアドバイスをくれたアテンドリーダーと仲間のおかげです。



「ダイアログ・イン・サイレンス」ホント面白くて楽しい。
ゲストひとりひとりの反応がみんな違っていて、すべての出会いが強烈で新鮮。
ツアーのプログラムは決まっていても、最後は人と人ととの対話です。


言葉を使わずに12人のゲストと様々な体験を共にし
「言葉を使わないなんて赤ちゃんの時以来かも!」
「私たちは、とてもシンプルな方法で伝えあうことができることを思い出した」
「音を遮断することで、普段使わない感覚がどんどんひらかれていった
でもそれは自分の力ではなく、グループ全員で助け合うことによって引き出された」
「目と目を合わせると相手のことがもっとすきになる、知りたいと思う、伝えたいと思う」


ここでは書ききれないくらい素敵な言葉を頂きました。
言葉にできないほどの素敵な機会をいただきました。
受け入れてくれた仲間たち、支えてくれたスタッフやボランティアの方々には感謝の言葉しかありません。
あらゆる人との魂の響き合いの日々。


8月20日、ダイアログ・イン・サイレンスの最終回を迎えるころには泣くも笑うも一緒くた。
異様なテンションのまま、楽屋の片づけ、掃除に追われていると
突然の集合令で、囲まれた私。
え?なになに??


季世恵さんが魔法のように私に差し出したのはアテンドの「修了証書」。
研修最終日、アテンドひとりひとりに手渡される様子を、自分のことのように嬉しくて拍手をしながら見守っていた私です。
それを自分で受け取るなんて。と。
このタイミングで。


「あんなに本気泣きするとは思わなかった!」と言われるくらい嬉しいサプライズでした。


向き合うこと、チャレンジすること、あきらめないこと。
幾つになっても大事にしたいなって思います。
『全員での打ち上げ用に』と友人から頂戴したシャンパンを預かって帰宅中、紙袋が破けて一大事に。
これはいつも通りのオチ。
俵を抱えるようにシャンパンを抱え「この場で飲んでしまいたい」という欲求と対話する夜道。
打ち上げ時には忘れずに持っていかねば。(しばらく続く自己対話)