札幌東ロータリークラブ様60周年記念事業での講演

 


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札幌東ロータリークラブ様の60周年記念事業で講演をさせていただきました。
60年という歴史の重み、
それはこれまでの地域に密着した数々の奉仕活動や
人と人とのつながりによって連綿と築き上げられてきたものだと感じました。

 

今年は聴覚障害者支援をテーマに活動展開されており
北海道ろう者サッカークラブと積極的に交流されています。
きっかけは昨年2月、薬師寺みちよさんの講演会に
ロータリークラブの方が参加され、聴覚障害デフリンピックなどについて
初めて聞くことばかりで衝撃をうけたということでした。
薬師寺さんと高校の同級生だったという髙山さんは
当時手話通訳を担当されていた、田村直美さんの協力のもと
聴覚障害者との交流や支援の機会を増やすべく提案をされてきました。
そんな流れで講演のお話をいただき、大変光栄な機会にあずかりました。
誰一人かけても辿り着くことができなかったこの
ご縁をつないでくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 開会のあいさつで述べられた、山口会長のいくつかのエピソードが印象に残っています。

 

昨年、ろう者フットサル交流会を企画して以来
聴覚障害をとりまく環境や現状」について認知されていない現実を
広く知ってもらうことに活動の価値があると思ったこと。

 

そうした経験や思いから
20189月の北海道胆振東部地震でブラックアウトとなったとき
「真っ暗な中で聴覚障害のある人たちはどんな思いだったのだろうか」と思いを馳せたこと。

 

日頃からバリアをなくし多様な社会を思い、考え、行動することの大切さ
そして何よりも印象に残ったのは
「今日の講演で心に残ったことなどを周りの人にも伝え、
  
今度は皆さん自身がつないでいく立場になってほしい」
という言葉でした。

 

この時私は舞台袖にいたのですが、文字通訳のスクリーンの裏側で
後ろから透けている裏文字を目で追っていたのでした。
なかなか貴重な体験です。

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500人入る会場には、一般のお客様や聴覚障害者のほか
ロータリークラブから招待された地域の高校生約80名ほどが
授業の一環として参加されていました。
高校生というと、私が少しずつ聴力を失い、やがて両耳とも失聴した年代です。
物事を感じとる力と心がとても豊かな時期。

 

『聞こえる世界から聞こえない世界へ
 そして共に生きる社会へ』と題し

私は、当時の体験やそこから見えてきたこと聞こえてきたこと、
そして今につながっているものを真っ直ぐに話しました。
その上で、共に生きる社会にするためには、
一緒に笑うためには何が必要なのか、
どんな工夫があるのか、
そもそもバリアってなに?
普通ってなに?と
様々な問いかけを込めながらすすめるようにしました。
ひとりひとりがかけがえのない存在であり
役割をもてるユニバーサルな社会にしたいと。

 

 

アンケートでは、

 

「違うから悪い」と思うのではなく、
「違うから楽しい」「違うからおもしろい」と思うことが
世界のバリアをなくすことにつながると思いました。

 

 

年齢的に高齢者難聴となり、ショックを受けていました。
しかし彼女を拝見したとき、私の考えが180度変わりました。
もっと社会を広く知り障害者を理解したいし、私の余生楽しみたいです。

 

 

個人メールでは
「生きている間に一度は聞いた方がいい」とすすめられて参加しました。
これまでの価値観を大きく揺さぶられる講演……まだ言葉になりません。
参加して本当に良かったです。
 


など、ここでは紹介しきれないくらい
嬉しく励みになるコメントが沢山ありました。
自分の講演や語りが、だれかの心に留まってひろがったり
つながっていく、これほどうれしいものはありません。

 

「共に生きる社会へ」と活動される札幌東ロータリークラブの方々の
情熱と行動力が、地域の大きな歯車になっていると感じました。
60周年記念事業のために、一年以上も前から
丁寧に準備を進めてくださっていた皆さまに心から感謝いたします。
当日のさまざまな配慮も一つ一つが丁寧であたたかかったです。

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札幌での三日間、「あなたのエイド(お世話役)です」と
髙山さんや手話通訳の田村さんとともにご一緒してくださった若原さん
頼もしい紳士です。

北海道なのに、実は我が家のご近所ともご縁があり驚きの連続です。
三重県から飛んできてくれた佳代子さんもご一緒に
ススキノの夜をどれだけ堪能したことでしょうか。
本当にありがとうございました。

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さて、私の講演は第一部。
第二部には、このところ毎日のようにテレビでお見かけする
武田真治さんと対談というスペシャル企画が用意されていました。

 

一言でいうと、誠実な方。
でもさすがはプロ、

『筋肉は会場を一つにするね!』という伝説のセリフが生まれた
笑いあり涙ありの対談は、続編で。f:id:karinmatasumori:20190330225915j:plain