時代を駆け抜けろ。20年越しの「ライオンキング」。

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実はずっと憧れていた劇団四季の「ライオンキング」。
前職の先輩が
「聞こえなくても楽しめるから絶対行ったほうがいい!!!」
と、とにかく創造的で芸術的!だと
魅力を語ってくれたのは
もう20年前のこと。
聞こえないのに一万円もするチケットを…と躊躇した当時。

 

20年後の今、字幕が表出されるメガネをかけて楽しんでいるなんて。

 

「字幕グラス」は多言語対応サービスとして
外国人や聴覚障害者が事前に予約をしておけば利用できるものです。
https://www.shiki.jp/navi/news/renewinfo/031063.htmlf:id:karinmatasumori:20190925102548j:plain
会場の受付には、字幕グラス現物の展示や
説明内容を書いたカードの準備などがあります。
字幕グラスと、受信本体一式を入れるための透明バッグもあり持ち運びも楽ちん!
メガネ型の「字幕グラス」の良いところは
横を見ても下を見ても上を見てもよそ見をしても
字幕がついてきてくれるところ。
また、出演者の顔を見ながら、
字幕と、口の形を一緒に確認することもできます。
舞台上に固定された字幕は、目をそらすと見逃してしまうためよそ見ができないのですが。

 


20年前にあきらめていたことが、今、楽しめる。
素直にこれがうれしかったです。
そうして、先輩が
「人間が一人も出てこない」といっていたことを思い出しました。
ライオンキングに登場するのはすべて動物。
パペットを用いた動物たちの表現がリアルで
動かしているのは人間だということを忘れるほど豊かな世界観。

 

ただ、ただ、どうしてもひとつだけツッコミたいのは
メスライオンたちが涙を流すシーン……とってもシリアスな場面なのに
なかなかにクセのある演出……。
もう、どうしても笑いを我慢できず、肩が痙攣する私。
ほんとうは思い切りゲラゲラと笑いたかったです。
これはもぅ、見たひとにしか分からない演出。
終わった後、今回誘ってくれた友人もそこがツボだったと分かり安心しましたが。笑
そんな笑いも感動もすべてひっくるめてリアルタイムで楽しめたのは
「字幕グラス」のおかげです。

 

ただ、ただ、どうしてもひとつだけザンネンだなと思ったのは
EPSONのスマートグラスMOVERIOが、古いタイプだったことです。
初代のころの、重量感が目頭に、鼻の頭に、鼻筋にずるずるとのしかかるタイプで
メガネの両脇の締め付けも強く
観劇中ずっと、手で押さえていないと観られませんでした。
初めて体験する聴覚障害者や外国人は、
「重い!疲れる!もう二度と使わない…」とマイナスなイメージを
もってしまわないかと、残念に思いました。
新しいタイプは、驚くほど軽量化し、二時間装着していても違和感がないので
今からでも交換してほしいなと思います。
(4月に札幌で見た劇団四季のリトルマーメイドは新しいタイプでした!)
映画館での貸し出しも始まっている「字幕グラス」の進化と活用方法の可能性は無限大。
もっと軽量化してほしいし、女性ぽいデザインや可愛いタイプ
ずっと装着していてもメイクが取れないものなど、期待大。
憧れていたけれども聞こえない私には遠い世界だと思っていた劇団四季のミュージカル。
やっと…。


そんなポスターのキャッチコピーは
「時代を駆け抜けろ。」
高々と掲げたこの手に字幕グラスを持たせたいとひそかに思った私。

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