「学生がいない教室で1人授業」も日常に。
桑沢デザイン専門学校の授業「デザインの視点」。
撮影をして後日公開するオンデマンド形式です。
毎年200人近くの生徒がおり、反応を見ながら進めるのですが
今年は得意の妄想力を駆使して、頑張ってます。
「デザインの視点」はオムニバス形式で各回の講師は
企業のトップからデザイナー、当事者など同じ数だけテーマも様々。
情報技術、ブランディング、身体感覚の活用など
独自の視点から実践されたデザインの取組みを学ぶ授業です。
「視点を変えれば価値観も変わる
視点を増やすことで世界はひろがる」
そんなことを一緒に考えたくて
日常生活からエンターテインメントまで
コロナによる影響についても様々な事例と共に紹介しました。
後日、例年通り分厚いレポートの山が届きます。
ひとつひとつに目を通しながら
学生が感じてくれたこと、考えたこと、思いついたことなど
共有できるのもありがたいです。印象的なものを紹介します。
今年は
「ユニバーサルデザイン」については小中学校で学んだけれど
聴覚障害当事者から聞くのは初めてという学生が多くいました。
そしてそのことに対して
「説得力が全く違っていた。」とも。
・私たち健常者はどうして今の自分たちが“普通”と言い切れるのかよくわからなく
なった。
見えない人、聞こえない人にとってはそれが普通だし
バリアを生み出すのは私たち自身でもあると気付けた。
でも、バリアをなくすのもデザインを学ぶ私たちだ!!!
「CMに字幕がついて初めて人として認められた気がした」という
聴覚障害者のコメントが印象に残ったという人も多くいました。
・この言葉が衝撃的だった。
こんなにも悲しい思いをさせているのかと私も悲しくなった。
作る側である私たちはそれを常に感じなければならないし
社会に出ても、みんなが楽しいかということを念頭に置いて考えたいと思った。
「バリアについて」深く思考を巡らせた学生も。
・「バリアとは何だろう」と考えたとき
「障害者が困っていたら助けるのが優しい人」という偏った小学生の時の記憶がありました。
今なら「困っていたら誰であれ助けあうことが大事」だと分かります。
誰もがよりよく生活できる環境をデザイナーとして提案できる人になりたいです。
・「社会にバリアがある」僕は毎日のんきに過ごしていたので気づくことができなかった。
人間がこれほどまでに余裕のない社会の中で生きていることに。
デザイナーという職業を通して、この現状を少しでも良いように促進していきたい。
「聞こえすぎる体質」で日常生活にストレスを感じるという学生は
自分と同じ立場の人の救いになるデザインも考えていきたい。と
自分をみつめ、それを他者にも広げるまなざしを書いてくれたり。
自分の父親が難聴であること、苦労の様子を見てきているので
音声認識UDトークをすすめてみたいと、家族へ思いを馳せる学生もいたり。
読みながら胸が温かくなっていきました。
また、オンラインだからなのか
私の表情や伝え方に関する記述も多くみられました。
・今回はとても表情豊かで笑顔がとても素敵な先生で、聞いて、見て楽しい授業でした
・聴覚障害のある方は表情が豊かでとても分かりやすいイメージがあります。
それは一番簡単で取り入れやすいユニバーサルデザインだと思いました。
私も普通にぼけーっと生活していないで、表情などできることから意識していこうと
思いました。
・先生の笑顔で話している姿が好きです。思わずこちらも笑顔になりました。
・留学生としてコミュニケーションの多様性は認識しています。
異なる立場で文化の違いを発見し、情報を形にし、繋がりや橋渡しを作れるのではないかと
授業を聞いて今深く考えていきたい問題でした。
それに、先生の笑顔がとても可愛くて、お話を聞きながら心も癒されていました。
ありがとうございました。
オンラインで、しかも目の前に学生がいないからこそ
気持ちが伝わる表情で授業を進めたいと臨んでいます。
ダイアログ・イン・サイレンスに関する記述もありました。
・テレビで以前見たとき面白そうだと思っていたのでおどろきました!
松森さんがここでつながりました!(笑)