学習院高等科での講演会、示唆に富む質問も多く。

学習院高等科の男子生徒約200人を対象に講演をさせていただきました。
「心のバリアフリープログラム」として、対面での講演は本当に久しぶり。
高校二年生といえば、私が両耳とも失聴した年ごろ。
そんなエピソードも織り交ぜつつ、
聞こえないことが強みとはどういうことか?
私がバリアフリーユニバーサルデザインを人生のテーマとするきっかけとなった
東京ディズニーリゾートの研究調査や、
聞こえる人も聞こえない人も一緒に楽しむためにはどうすればよいのか
公共交通機関、情報、コミュニケーション、子育て、映画や舞台などのエンターテインメント、
様々な分野に分けて話しました。

最後には、改めて「ふつうってなんだろう?」という問いかけを。
まっすぐに話せばまっすぐに受け止めてくれる年齢
聞こえない私と、手話通訳を介さずにどのようにコミュニケーションをとるか!?
生徒にステージに上がってもらいチャレンジしてもらったりも。
様々なお題を出す私の無茶ぶりに、ボディランゲージで伝えてくれる生徒。
すごい!!!

質疑応答の時間では、いったい何人の質問に答えたのでしょうか?
一体何人が挙手したのでしょうか?
素朴な疑問、多様な視点、示唆に富んだ質問も多くあり、

「もし聞こえるようになるとしたら、聞こえる身体になりたい?」

「舞台やお芝居などの聴覚障害者の楽しみ方は分かったが、視覚障害者はどうか?」

「音を振動で感じるというのはどういうことか?」

「医療が進んで、誰もが聞こえる見える五体満足な身体をもつ社会になったらどう思うか?」

などなど、
ひとりひとりが、私の話を受けとめ、自分の考えをしっかり持ったうえでの質問。
わたしはこんな質疑応答の時間が大好きです。

私自身も改めて考えたり、それを共有することで
みんなで一緒に考えることもできるからです。

最後には、全員が「ありがとうございました」と
私にも伝わるほどの大きな声と手話で伝えてくれました。

空気を揺るがして伝わってくる臨場感、やっぱり対面っていいなぁ。

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