藤原瑠美さん「いのちの声 八鳥治久に伴走した日々」出版記念パーティ

スウェーデン福祉研究者の藤原瑠美さん
「いのちの声 八鳥治久に伴走した日々」出版記念パーティー

銀座の顔、和光ショーウィンドウを長年手掛けてこられた八鳥治久さんが
認知症を発症し、在宅でのターミナルケアを明るく楽しく過ごそうとした日々を
時に夫婦の視点でほがらかに、時に研究者の視点で克明に、記録された一冊。
八鳥さんが帰天される2日前に、私は会いに行ったのでした。

八鳥さんのケアに携わった方々をはじめ、和光関係者や
スウェーデンの福祉関係者、デザインや建築関係、八鳥さんの親戚の方々など
幅広い方々がいらっしゃり、瑠美さんと八鳥さんの人徳を感じる
あたたかで豪華で愛が溢れる会でした。

帯の表紙には大熊由紀子さんのメッセージが。
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「銀座の顔」をつくった夫と
スウェーデンの高齢者福祉を日本に広めた妻
2人で紡いだ虹色の「人生最終章の物語」です
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帯の裏には瑠美さんのメッセージが。
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この本は大切な伴侶や親が認知症になって
在宅介護をしている家族に読んでいただきたい本です。
日本では、介護に限界を感じ、認知症の家族を
施設に託したいと思っている人が少なくありません。
認知症になっても、自分の家出楽しく住み続けると
認知症は重度化しない。
私は明るくポジティブに暮らすことで、
困難を乗り越えられると伝えたいです。
また、日本も国を挙げて、介護家族の支援を進めてほしいと思います。
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「いのちの声 八鳥治久に伴走した日々」論創社
https://ronso.co.jp/book/%e3%81%84%e3%81%ae%e3%81%a1%e3%81%ae%e5%a3%b0/

表紙は八鳥さんがデザインしたショーウィンドウ「人の輪」の写真で
豪華で重厚感があります。
大熊由紀子さんがスピーチをしながら、表紙をめくったとき、
私は思わず息をのみました。

まさかこの写真が中表紙にあるなんて……!!

 

八鳥さんとの出会いは、私が22歳だったとき。
バリアフリーは銀座から」というイベントで
銀座一帯をバリアフリーにしちゃおうという企画ができた。
「じゃあ4丁目の銀座和光ショーウィンドウで手話でメッセージを発信してもらおうよ!」と提案。

当時私は22歳、社会人になったばかりで右も左も分からない若者。
ところが、メンバーにセイコーと関係のある方がおり、
「和光の人と面談するよ!イメージをまとめといてね!」
と八鳥さんに直談判するチャンスが。

頂いた名刺は「和光」という文字と
「常務取締役 八鳥治久」と縦書きで記され
あんなにずっしりと重厚感のある名刺を頂戴したのは、初めてでした。

「聞こえない人の言葉である手話を、和光ショーウィンドウから発信してほしい!」と
稚拙なデザイン画を何枚も広げ、
数種類の手話メッセージや思いのたけをぶつけました。

じっくりと耳をかたむけ
「できるかどうか分かりませんが、面白いアイデアです。」

そうして、手話という言語が、アートとして
銀座の真ん中でメッセージを発するショーウィンドウとなったのです。
八鳥さんがショーウィンドウ界の巨匠とも呼ばれ、世界一とも言われる
和光のショーウィンドウの数々を手がけてこられた方だと知ったのはずっと後。
若いって恐れ知らずです。

こんなおかしな若者に真摯に向き合い受け止めてくれた八鳥さんには
感謝の一言に尽きます。

そして、その後、巡り巡って奥様の瑠美さんと出会うことになるのです。
人との縁ってほんとうに不思議で幸せを感じます。
そんな出会いの物語はブログでも記しています。

<2015-05-17めぐりめぐっての巡りあい>
https://karinmatsumori.hatenablog.com/entry/20150517

素敵な一冊をこの世に送り出してくれた瑠美さん、ありがとうございます。
この一冊が、瑠美さんの手を離れて、多くの方の手に渡り
認知症や介護や在宅ケアについて悩んでいる方々の救いの一冊となると思います。

「いのちの声 八鳥治久に伴走した日々」
https://ronso.co.jp/book/%e3%81%84%e3%81%ae%e3%81%a1%e3%81%ae%e5%a3%b0/

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