交通機関マヒ。役に立ったこと、立たなかったこと。

karinmatasumori2009-10-09

本州縦断。各地に強風被害をもたらした台風18号。


当日は二件、仕事が入っていた。
朝から羽田空港内の会議室で夕方まで缶詰予定だったが、午前中は大学の講義があるため、遅れての参加予定。
ところがこの大型台風の到来。
前日の時点で息子の小学校は臨時休校。
大学のほうは、休講の場合、朝六時にHP上で発表されるという。
なるほど、電話などの緊急連絡網ではないのですね。今の時代。
もし大学が休講となった場合は、そのまま朝から羽田空港でのお仕事だ。


当日。朝6時。
ベランダには青空が広がっている。
果たして大学はあるのか否か??


パソコンから大学のHPへアクセスするがこれがなかなか繋がらない。
アクセスが集中しているせい?
大学にしても羽田空港にしても、早めに家を出なくてはならない。
焦りながら、大学の副手さんにメールで聞いてみた。
「私も繋がらず、把握できておりません。他の関係者に電話で確認してみます!」

うーん、大勢に同じ情報を提供するための手段なのに繋がらないなんて、思わぬ落とし穴!
数分後、副手さんからのメールで「休講」だと判明。
ではこのまま羽田空港


通常より早めの7時過ぎに家を出て駅に着くと、予想通り全線運行中止。
警備のおまわりさんに、筆談で教えてもらい
ぎゅうぎゅう詰めのバスに乗って、京成線の駅についてびっくり。

駅から人が溢れている。階段もエスカレーターも駅の外の通りまで溢れているのだ。
入場制限か!?
こんなときって、電光表示板なんて全然役に立たない。
”台風のため15分遅れています”繰り返し流れているものの、現実は止まっているし。
駅員さんに尋ねたくても、身動きできない混雑状態。
番役に立ったのは、他人の携帯電話。
右の人も左の人も、会社や友人などに「現状報告メール」をしているのだ。
ちらちらと覗き込みながら
京急線は少しだけど動いているみたい。あと10分ほど待てば改札入れるらしい」
総武線は全線ストップ」
などと情報収集!


なんとかんとか半端でないぎゅうぎゅうぎゅう詰め電車に乗り込む。
満員電車はOL時代に慣れていたはずだが、そんなの比じゃなかった。
そして、最初は動いていた京急線の動きが停車時間が長くなり、次第に怪しくなる。
電車内だと、情報も入ってこず、
なるようになれ!
京急線快速特急、終点は羽田空港
乗ってればいずれ着くだろう。
あきらめモードになったころ、運良く席が空いて座れた。

いやぁ、疲れた疲れた!とにかく座れてラッキー!と。
そんなとき、すでに羽田空港についた友人からメールが。

京急線羽田空港で電車が溢れて、かなり遅くなるようです!モノレールは正常に運行しているそうです!」と。
「じゃあ、どこで乗り換えればいい?ルートを指示してください!」至急返信したものの、いかんせん地下では電波が届かない。


「大門で降りて浜松町からモノレール!」ときたときには、すでに大門過ぎていた。
こんな時代なのに、地下鉄ではいまだに電波切れるなんて〜!
再び大門に戻り、浜松町駅に行くため地上に出るとまぶしいくらいの青空。
雲の流れがものすごく速く、めまいすらした。

友人からの「ルート指示メール」に従って、何とか羽田空港にたどり着いた。
時間、12時・・・・(爆笑、というか、壊笑!)


通常一時間のところ、四時間以上の長旅。


アクセスが集中して繋がらないHP。
イムリーな情報が出ない電光表示板。
駅員さんが見えないほどの人だかり。
混雑時に見えるのは人の頭ばかりの情報遮断状態。
そんな中、他人の携帯メールで現状把握できたこと。
友人とのメールのやりとりで、最新情報を送ってもらえたこと。
最適ルートをメール指示してもらえたこと。

結局人とのつながりに、一番助けられたのだと思う。
携帯電話やパソコンなどのツールは、それをつなぐ一つの手段。
アクセス集中だとか、圏外だとか、そんなバリアがなくなればもっとスムーズにいくんだろうな。


帰り道。
オレンジ色の空に富士山のシルエットがくっきりと浮かび上がり、いつになく澄んだ空には木星が瞬いていた。