この新国際線ターミナルでは、誰もが使いやすい空港にするために、多様な人が集まって議論をする、
「当事者参加型」のワークショップが長い年月、繰り返し開かれてきました。
私は聴覚障害の立場から参加しておりましたが、
案内サインの見易さから、トイレのドアノブにいたるまで、細部にわたって500項目以上を丁寧に議論してきました。
ワークショップが開かれ始めた当初は、戸惑っていた事業者の方々が次第に真剣に、時には熱く、納得のいくまで議論を重ねてくださる姿はとても印象的でした。
聴覚障害って、外見で分からない障害です。
情報を受け取れないバリア、コミュニケーションが困難なバリア。
いずれも見て分かりにくいバリアなのですね。
それゆえに、どんなことに困っているのか理解されにくく、聴覚障害者に対する配慮はおざなりにされがちな部分があります。
今回、私達聴覚障害者が一番重点を置いたのは、
「情報を見えるようにすること」
音声での呼び出しのアナウンスは、どのように解決したらいいのか。
トイレの個室に入っているときに、非常事態が起きたらどうすればいいのか。
エレベーターに閉じ込められてしまっても、音声でのやり取りができない場合はどうすればいいのか。
この新国際線ターミナルでは事業者側が徹底的に向き合ってくださり、初めて実現したことが多くあります。
何度となく議論を重ね、丸一日手話通訳を見続けたために何度も結膜炎に・・・笑
白熱の議論の帰りは、電車の中で目を閉じて「何も見たくない〜!」と思ったこともありました!
でも、新ターミナルに足を踏み入れたときの感激は、それらを上回るものです。
コンパクトで分かりやすい構造は、初めて訪れた人でも迷わずに旅立てそうです。
この様子がNHK教育テレビ「ろうを生きる難聴を生きる」で紹介されます。
よかったら、ご覧ください★
「ユニバーサルデザインを考える 〜東京国際空港新ターミナルを例に〜」
NHK教育テレビ「ろうを生きる 難聴を生きる」
放送日:9月19日(日)19時30分〜19時45分
再放送:9月24日(金)12時45分〜13時00分
9月26日(日)19時30分〜19時45分
10月1日(金)12時45分〜13時00分
番組のURLはhttp://www.nhk.or.jp/fukushi/chokaku/ です。
東京国際空港新ターミナルのURLはhttp://www.tiat.co.jp/terminal.html です。