あれから一年。和光の前で

karinmatasumori2012-03-11

一年前のこの時間は……そんなことを考える一日でした。



歯医者から自転車で帰宅後、ほっと一息ついていた時でした。
激しい揺れでベランダの鍵が開き、勝手に開いた窓から冷たい風が吹き込んできました。
足の踏み場もないほどガラスの破片だらけとなった台所。
書架からなだれのように落ちてきた本。
つながらない携帯電話。
テレビが映し出す凄惨な映像。
昨日のことのようによみがえってきます。


銀座の和光で、時計塔の鐘を14時46分から11回、14時47分に黙とうの目安として12回目を鳴らすという。
鐘の音。
聞こえるかどうか、響いてくるかどうかは分からないけれど、その場に行ってみたい。
そう思い立って銀座へ。


歩行者天国として開放されている通りには、身動きできないほどの人であふれ、みんながみんな和光の時計台を見つめていました。
祈るように手を合わせる人。
私もその中に身を滑り込ませ、時計台を見上げる。
耳を澄ませる。
抜けるように澄んだ青い空。
2時46分。
その時間、
車も人の動きもピタッととまり、一瞬の静寂が。


残念ながら私の耳には、目の前に見上げる鐘の音は届かなかったけれど
こんなにも多くの人々の思いが、一つにある風景を見て涙がにじみました。
あれから一年。
一日一日をしっかりと歩んでいかねばと。