千葉聾学校での講演と、手作りのバターナイフ

karinmatasumori2013-11-15

千葉県立千葉聾学校防災教育チャレンジプランの一環として
「聞こえる世界と聞こえない世界をつなぐ〜ユニバーサルデザインから防災まで〜」の演題で講演をしました。
中学部と高等部のほか、小学部の子も何人かおり
後ろには、保護者や地域の方々、一般の方々も多くお見えになりました。


9月に、宮城県にある聴覚支援学校の聞こえない中高生に
震災時のことについて取材をしたのですが、その時の彼らの話で共通していたのは

■大変だったことは
・家族と連絡が取れなかったこと
・周囲とのコミュニケーション
・情報が入ってこない

■それに対してどんな備えが必要なのか?
・聞こえないからこそ必要なモノを準備しておく
 たとえば、補聴器、電池、筆談用具、ヘッドライト等
・ご近所さんとのつながり
 これは、小さなときから地域の聞こえる小学校との交流があったため、聞こえない自分のことを知ってくれていたから、避難所でも様々なサポートをしてもらえたし、逆に自分が手伝うことも多かった
ということです。


つまり、日ごろから地域の人たちと交流し
「いつも」あいさつができる関係があれば
「もしも」のときに助けあえる。ということです。

そんなエピソードを含めてお話をしてきました。
講演後、生徒会長のI君がお礼の言葉を述べてくれたのですが、その中で嬉しかったのはこの一言。


「自分たちだからこそ出来ることがある。ということに気付きました」


嬉しいな、こういう言葉。
自分の言いたいことが、きちんと伝わったんだと思えて、つい涙ぐんでしまいました。
自分からバリアをつくらず、いろんなことに挑戦してほしいと思います。
やってみれば、なんだってできるんだから!


ご縁を下さった石川先生、ありがとうございました!
そして、この学校の校長先生のお名前は千葉先生。
千葉県の千葉市にある「千葉県立千葉聾学校」の校長千葉先生、と、
千葉だらけのお名前ですが、出身は石川先生と同じ盛岡の方なのです。


終了後、校内を案内していただきました。
教室のドアはガラスを埋め込んでいるので、見通しがよく
いろんなところに視覚情報があります。
校内放送は、電光表示板。
目で情報を得る子どもたちが学ぶ工夫が随所にありました。


重複障害児のクラスでは、木工製品をたくさん作っています。
私も、バターナイフと、バレッタ(髪留め)と、キーホルダーを頂いたのですが
これが、子どもたちが作ったとは思えないくらいとても丁寧な製品なのです。
天然素材の木を使って、一つ一つ手作業でサンドペーパーをかけるので
すべすべしていて、手触りもよく、一つ一つが違う形で面白い。
バターナイフは、チーズをカットするにも良さそうで、
その場でたくさん購入させていただきました!
だって、一つ300円。天然木材なのに!
帰りのカバンの中はナイフだらけです。
先生が「本当はカリンの木で作りたかったのですが」とおっしゃっていました!
しばらくは会う人にバターナイフ配っていそう。