第28回障害者政策委員会の報告

第28回障害者政策委員会が終了しました。

障害者権利条約を結んだ国は、
国連に対して、
国内の政策の推進状況や、現状と課題などを政府報告書としてまとめ
提出する義務があります。
それを基に国連の審査を受けることになります。
基本的には4年に1度ですが、
初回は2年以内にという規定があるので
昨年1月に批准し2月に発効した日本は、
2016年2月に提出しなければなりません。


外務省が作成した政府報告書案をもとに、繰り返し議論をしてきました。
当初の案では、国内施策の紹介が中心で
「やりました。書いてあります。」的。
これだけをみると、
「日本って障害の有無に関わらず全ての人が暮らしやすい素晴らしい国だ!」
って思えてしまうくらい、実態とかけ離れている部分もあり、
委員からは「現状と課題を明確に著すべきだ」という意見が多くありました。


それらを
「障害者政策委員会における監視の議論を通じて、政府報告に盛り込むことが考えられる意見(事務局案)」
として整理し、最終報告書案には、概ね盛り込まれて修正されました。
資料は、内閣府のHPにアップされていますが
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/seisaku_iinkai/

<障害者に関する統計>が不足しているため男女別統計の必要性
<障害のある女性>の視点からの記述や統計を充実させ政策立案を推進する必要性
など、繰り返し訴えてきたことが入っていて良かったです。



初めての政府報告書として、完全ではないけれども(そもそも完全は難しいけど)
議論と歩み寄りを繰り返し、
国内の現状を示すことができるのではと思います。
政策委員会として、一つの大きなヤマを越えたという感じでしょうか。
とはいえ「障害者差別解消法」は来年四月から施行されます。
内閣府は「合理的配慮等具体例データ集」を公表しています。
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/index.html



大切なのは障害があってもなくても、
ひとりひとりがかけがえのない存在として生活できること。
誰だってできることとできないこと、得意なこと不得意なことがあります。
そうしたことを補い合って私たちは共に生きているのだと思います。


共に生きるためにはどうすればいいのか。
難しいことではないと思います。
自分とは違った他者に目を向け、話しを聞き
嬉しいことや困ることを共有していくことが大切だと思っています。
そうした体験から
自分の困っていることを客観的に説明する力が身につき、
どうすれば良いのか(合理的配慮)を一緒に考えていけるからです。