私の原点、新潟美術学園。


紙、木炭、絵の具など画材の匂いはほっとします。
「新潟美術学園」24年ぶりに訪れました。
「聞こえない私」として初めて一歩を踏み出した場所、私の原点でもあります。


高校生のとき、希望していた専門学校2校から聞こえないという理由で受け入れを拒否され、
高3になり大学進学という新たな目標を見つけてから受験までの半年、
デッサンやデザインの基礎を学びました。


当時住んでいた群馬から新潟まで
毎週末新幹線で通っていたのを思い出します。


聞こえるフリをすることに疲れていた私を、
「聞こえない私」として
そのまんま受け入れてもらえたのは、人生で初めての経験。
スケッチブックや画用紙のあちこちから、木炭や鉛筆、絵筆で話し書いて(かけて)描いてくれ
同じ目標に向かう個性豊かな仲間たちと、
スケッチブックとともに友情を育んだものです。


24年ぶりでも匂いは同じ、先生方の笑顔も当時と変わらず。


私の本を読んでインスピレーションを得た高校生の作品を見せてくれました。
タイトルは「音を見たことがありますか?」
私の背丈程の表紙を開くと、
四種類の音楽を描いた絵が彩り豊かにひろがります。
「音楽」をこんな形で意識してくれるなんて、なんだかうれしい!


夜は先生たちと食事。
新潟のどぶろくってなんでこんなに美味しいの。
火を通していない生は、しゅわしゅわぽこぽこと口のなかで幸せが弾けるのです。
先生方の前ではすっかり素の自分に戻って笑いころげ、
幸せの余韻を大事に持ち帰った4月1日、
原点からの新年度はじめ。


<新潟美術学園>
http://www.n-b-g.sakura.ne.jp/