「レディベス」台本を貸りて楽しみました

帝国劇場でミュージカル「レディベス」を
台本を借りて観てきました。
来日公演の場合は、英語なので舞台両脇に日本語字幕が表示されるのですが
今回のキャストは日本人なので音声の日本語のみです。


こんなとき、聴覚障害者が楽しむ方法は?


1、観て楽しむ
確かに豪華絢爛な衣装や美しい舞台演出は観るだけでも価値がありますが
セリフや音楽、ストーリーは分かりません


2、字幕ガイドで楽しむ
字幕を表示する端末が整備され、貸し出している劇場もありますが帝国劇場にはありません


3、台本を借りる
当日に台本を借りて、開演前や上演中、休憩時に台本を読みながら
ストーリーを追う方法です。
2016年障害者差別解消法の施行後は、台本を借りたい理由をきちんと
説明すると、快く貸し出してくれるところが増えている気がします。


今回も東宝株式会社/帝国劇場のHP、問い合わせフォームから送ると
すぐに返信があり
「当日開場時間の1時間前より帝国劇場ロビーにて台本をお読みいただけます」とのこと。
とてもスムーズなやり取りでした。


当日開場前に入れていただき、ロビーの片隅で台本を渡されました。
とても嬉しかったので、お礼とともに


「開場後に館内のカフェでゆっくり読みたい」こと
「休憩含め、上演が終わるまで台本を持っていたい」ことを伝えると


それはできないとのこと。
「読むのはここ(ロビーの片隅)限定で、上演前に回収するルールがある」ということです。


理由は「他のお客さまへの配慮」。


つまり、台本を読んでいる私を見たお客様が不審に思うからでしょうか。
しかしそうしたルールがあるなら
・事前に説明をしてほしかったこと
・他のお客さまが気にならないようにカバーをつけるなどの提案
・決して安くない料金を払ってきている以上、一般のお客様と同じように上演まで楽しみたい
と伝えると別の担当者を呼んできてくれました。


そこでもう一度お話しをし
・上演直前まで持っていてOK。ただし上演直前にスタッフが席で回収し
休憩時に席まで台本を持っていき、休憩後回収する
・バインダーを持ってきてくれて、台本をはさみ外見で分からないようにする


と、お互いが納得できる「建設的な対話」となりました。
とてもありがたいことです。
おかげで私は、場所を制限されることなく台本を読むことができました。
こんなときは、補聴器のスイッチをオフにして、静かな世界で集中します。
女王エリザベスをはじめとする、カタカナの長い名前のオンパレード。
すべて暗記することはムリなので、
大体の流れを把握し、頭にたたきこみます。


上演中は、拷問、処刑、迫害などの場面、
愛を語り合う場面、男装したレディベスがパブで痰をはく場面など
台本と照らし合わせながら想像します。
レディベスの美貌には、ほんと惚れ惚れとしました。
舞台は傾斜のある円盤が回転することでゆっくりと場面転換されるなど
美術面も一見の価値あり。


来日公演ミュージカルは何度も観ているものの
日本のミュージカルは初めてでしたが
台本のおかげで楽しめました。
それでもやっぱり、リアルタイムでセリフや歌も楽しみたいなって思います。


帰り際、台本貸し出しの対応をしてくれたスタッフがいたので
「おかげさまでとても楽しめました。
私と同じように聞こえなくても楽しみたいというお客様は多いと思うので
できれば台本の貸し出し対応をしていることをHPなどでオープンにしてほしいです。
そうすれば、聞こえないお客様が増えますし
一般のお客さまへの理解もすすみ、私たちも堂々としていられる劇場になると思います」
とお礼と共にお伝えしました。

見やすい席を予約してくれた佳代子さん、いつも付き合ってくれてありがとう!
「レディベス」
http://www.tohostage.com/ladybess/