スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」に手話が!まさかの4回目!

スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」に手話が!”という噂を聞き
まさかの4回目の観劇。(えー!)
2015年初演があり、後輩に誘われて観劇しその後2回目、3回目は大阪まで行くというハマりっぷり。
なんなんでしょうこの魅力。
今回は2年ぶりの4回目です。

言わずと知れた漫画「ONE PIECE」の世界観を
歌舞伎俳優市川猿之助氏が主人公ルフィや海賊たちと、海軍との間で
頂上決戦が繰り広げられる「頂上戦争編」を歌舞伎にしたものです。


「こんな歌舞伎初めて見た!」これが最初の感想。


聞こえない私は台本を借りて楽しみます。
会場となる新橋演舞場には「字幕ガイド」がないからです。
いまでこそ、事前に申し出れば快く台本の貸し出しをしてくれるのですが
2年前の初演時には
「字幕ガイドの用意はできない。貸し出し用台本もない」
著作権に触れる可能性もある」などといわれ
一か月間もの間、新橋演舞場文化庁、松竹株式会社、猿之助氏の事務所などへ
粘り強く交渉を続けた経緯があります。
<2015-10-31 「スーパー歌舞伎2ワンピース」台本を借りて楽しみました>
http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20151031/



障害者差別解消法が施行される前年でしたね。
台本貸し出しが可能になったことをSNSで発信すると
他の聴覚障害者も後に続き、私も二度三度となるのでした。
<2016-03-29 三度目のワンピース歌舞伎in大阪>
http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20160329



当日、貸出書に署名し、
あらかじめ準備された注意事項等のカードを見て説明を受けます。
担当者は簡単な手話を覚えてくれてとても丁寧。

台本は紫色の和紙のカバーで、一見それと分からない工夫がされています。
開演前や幕間に読むのですが
上演中も照明が明るいときは読みながら口形を見て
ほぼリアルタイムで楽しむのが私の方法です。

今回は8列目の花道脇の席、すぐ目の前にルフィが、ハンコックが、ボンちゃんが!
猿之助さんがいなかったのが本当に残念です!
でも、2年前初演時よりもLEDやプロジェクションマッピングなどの演出が進化して
豪華絢爛、きらびやか!
本気の女装で踊りまくる彼女たちは一流の歌舞伎役者!
目がいくつあっても足りないほど楽しく、歌舞伎なのにファンキー!
幕間に上映される映像にも、大事な情報にはキャプションが。
細かいところまでニクい配慮!

フィナーレに近づきいよいよ猿之助氏の想いがこめられた「ファ〜ファ〜タイム」。
ゆずが提供した楽曲「TETOTE」に乗せて右近のルフィが宙乗り
ニューカマーランドの美女達(!)が勢ぞろいするシーン。
舞台の両脇に立つニューカマーさんたち、確かに手話で歌ってる!!
思わず興奮する私たち。
フィナーレやカーテンコールでは海賊船に乗ったルフィをはじめ数名が
「ワンピース」を『船』という手話で表現し
『ありがとう』手話を繰り返すのです。
思わず立ち上がって『ありがとう』と手話で返す私たち。



今回の手話での演出について
「初演時に、沢山の聴覚障害のお客さまが来てくれたから…」
というウワサも聞いたのですが何とか猿之助さん本人に尋ねる機会がほしいところ。
観劇後、ロビーを見ると「猿之助事務所受付」があるのを発見。
思い立ってその場で猿之助さん充ての手紙をしたためて、渡しました。
便箋など持っておらず、いつも持ち歩いている懐紙で代用。
「みんなで一緒に楽しめるって嬉しい!」
この思いが伝わり何かに繋がるといいなって思います。
ここまで演出にこだわって、自らも手話を学んだ猿之助さん。
怪我はホントに悔しいだろうなぁ。
でも、ワンピースの大航海、今後の進化も楽しみです。
東京では11月25日まで。
聞こえない皆さんもぜひ台本を借りて、手話演出も込められた
スーパー歌舞伎Ⅱワンピース」ご覧になっては♪